ウォルマートが新興オンライン小売サイトJetを買収したい理由

著者のFahim Naim氏はeコマースコンサルティングeShopportunityのCEOである。

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(こちらの記事の抄訳になります)

Walmartがオンライン小売サイトのJetの買収交渉を進めていると、今週3日Wall Street Journalが報道した。もしそれが本当であれば、この動きは驚きではない。Walmartはここ最近eコマース事業を成長させるための実験的な取り組みを続けていたし、CEOのDoug McMillion氏はオンライン事業を成長させることは最優先事項の一つであると繰り返し話している。Walmartのオンラインの売り上げはAmazonと比較すればずっと少なく、AmazonはWalmart.comの20倍以上の品数を販売している。

「Amazon Primeキラー」とも称される、注文から2日以内の配送を約束する ShippingPassはじめ、Walmart はeコマース事業の取り組み強化においてはまだ初期段階だ。今回報じられた Jetとの買収交渉中であるという話が出てきたのも、ShippingPassの米国内展開が始まってから1ヶ月以内のことだ。

米国のeコマースの売り上げは5年以内に2015年の数字から倍増することが予測されている一方で、eコマース小売では米国内2位につけるWalmartはオンライン事業の成長に遅れをとっていた。過去5四半期において、売り上げの伸びは鈍化しており、経済全体のeコマースの成長速度を1年近く下回っている。この買収が実現すれば、Walmart史上最大の買収になるかもしれないが、Walmartはeコマースの成長を加速させるためにここ最近いくつもの取り組みに挑戦しており、Jetは中でも最大の賭けになるだろう。

WalmartがJetから得られるであろうこと

Walmart がJetを買収した場合、同社が得られるであろうことは多い。まず、価値の高いデータ、洗練されたプライシング、注文処理ソフトウェア、経験豊富で実績の証明された才能。さらに、所得平均が高くWalmartよりも注文金額の高い、400万近くのユーザーという熱心な消費者ベースもある。

また、ドットコムプラットフォーム上で販売する商品数も拡大できるだろう。Jetの1000万点という品揃えは、Walmart.comが現在提供する品数とほぼ同じなのだ。

Jetの買収がeコマース業界に与える影響は?

Jet はここ1年ほど波乱万丈をくぐり抜けてきた。「Amazonキラー」とも言われた悪名高いポジションから、月額課金のビジネスモデルを変更したり、他の小売ビジネスと衝突したり、最終的には最初の1年で10億ドルの総流通総額ランレートに到達したり。

10億ドルの評価額に最速で到達したスタートアップの一つとなり、イテレーションを繰り返したあと、マーケットバスケットサイズは5.5製品とAmazonや他のプラットフォームの推測値よりもかなり高い値であると発表している。さらに、何億ドルもをマーケティングや顧客獲得のために費やす計画を発表し、数年間は利益を出さない予定であるとも言った。

Jetは確かにトップレベルへの成長を遂げ、消費者に既に確立されたAmazonのような業界リーダーに代わる魅力を提供したという点でいくらかの成功をした。とはいえ、現在のビジネスプランはさらなる資金調達と投資家の辛抱強い理解を必要とする。だからこそ、Jetにとってもこのタイミングはチャンスに乗じたものになるだろう。Walmartによる買収額にもよるが、Jetの評価額は昨年11月時点の13億5000万ドルから二倍になるかもしれない。利益を上げておらず、損益なしの状態ですらもないが。

eコマース業界に関しては、過去数十年にわたって、米国拠点のeコマースプラットフォームによる大きなエグジットや巨大な資金調達が存在しなかった。ユニリーバによるDollar Shave Clubの買収と同様に、Jetの買収もまた業界にとっては有益で、新しい新興ビジネスモデルが有効である証明となるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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