中国で今年1月に発生したTeslaドライバーの死亡事故、自動操縦機能が原因の可能性

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自動操縦機能を使用した Tesla 車による初の死亡事故であった可能性のある事故の映像を、水曜日(9月14日)に中国国営メディアが公開した。

車載カメラで撮影された動画には、北京市の南450キロメートルに位置する高速道路上をフルスピードで走行するモデル S 車が路面清掃車後部に激突する様子が録画されている。

衝突事故は今年1月20日に発生し、23歳のドライバー Gao Yaning 氏は即死している。これまでは、今年5月7日にフロリダで発生した Tesla 車モデル S の衝突死亡事故が、Tesla 車のドライバー支援型自動運転システムに関連した初のドライバー死亡事故であるとされてきた。しかし、1月の惨事の一因が自動操縦機能にある場合、中国で4ヶ月前に発生したこの事故が自動操縦による初の事故であったことになる。

路面清掃車に激突して大破したTesla車
路面清掃車に激突して大破したTesla車

この動画は、事故の瞬間まで自動操縦が機能していたという証拠が家族側になかったため、事故当時は公開にいたらなかった。同電気自動車は金属スクラップ処理されており、自動操縦機能が事故当時作動していたかどうかを判断するための記録も失われていた。

悲嘆に暮れた Gao Yaning 氏の父親は、5年以上の運転経験を持ち兵役中は大型トラックの運転を完璧にこなした実績もある息子が、10秒以上も完全に視界にあった車両に、ブレーキをかけたり避けたりする試みすらなく追突したとはどうしても信じることができないでいる。

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ドライバーには何年も軍事用トラックを運転した実績があった

Gao 氏の父親はさまざまな専門家や Tesla 車ドライバーたちに意見を求めたが、皆一様に車は走行制御モードにあったとみている。映像は、Gao 氏の車が9分間、路上線から一定の距離を保ちつつ一定のスピードで走行したことを示している。

追突の1分前、Gao 氏はある歌を鼻歌で数節歌っている。Gao Yaning 氏の父親は、彼は Tesla 車のドライバー支援型自動運転機能に夢中になっていたと語り、自動操縦機能で車を走らせる息子を撮った動画を携帯電話で見せた。

亡くなった Gao 氏の家族は、ドライバーに誤解を与えたとして Tesla ディーラーを告発しており、賠償金として1万元(1,500米ドル)を要求している。家族の弁護士は適切な額であるとは言えないとしつつも、家族はこのことが自動操縦機能はまだ不完全な技術であり慎重に試す必要があると世の中へ忠告するきっかけになることを願っている、としている。

Gao 氏の弁護士を務める Wang Beibei 氏はこう語った。

私たちは Tesla に、マーケティング時にはもっと慎重に言葉を選ぶよう再認識し、また若いドライバーに対する魅力的なセールスポイントとして自動操縦機能をあげることをやめてほしいのです。Tesla は、ドライバーに対して自動操縦機能を信用する必要性を繰り返し印象付けようとしますが、その一方でマニュアルの細則ではハンドルから手を放さないようにとしています。これは自己矛盾です。

自動運転機能に関連した中国国内初の事故を受け、Tesla は先月8月2日、中国における公式ウェブサイト上で「自動操縦」機能という表現を「自動操縦ドライバー支援型自動運転システム」へと変更した。

Tesla は、自動操縦機能は航空機の自動操縦機能同様、一定の条件下でドライバーの運転を支援するために機能するとしている。しかし、ドライバーはハンドルを両手で握り、常に車両をコントロールしなくてはならない。Tesla の中国サイトの自動操縦機能の説明にこのことは記載されていない。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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