個性的なグローバル・フィンテック・スタートアップ5選

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フィンテックを代表するビジネスはどのようなものだろうか? 社会問題となったビットコインやブロックチェーンの技術をはじめ、さまざまな決済/送金関連ビジネス、P2P に代表される資金調達や借り換えなどがある。

フィンテック・ビジネスの成長に合わせて、以前に記した分野に加えて、さまざまなスタートアップが登場している。最近、グローバル市場に登場した個性的なフィンテック・スタートアップについて見てみよう。

子供のためのキャッシュレス貯金箱「Clever Kash」

貯金箱は、子供に経済観念を植え付けることができる良い方法の一つだ。しかし、現金よりもクレジットカードの使用が増える状況を無視して、教育のために子供にただ現金を持ち歩くようにすることはできない。それだけでなく、幼い子供に、ただやみくもに遠方にある銀行に行かせ、貯金を促すのも難しい。

では、現金は使わないものの、「豚の貯金箱」のようなアイデアを形にすることはできないだろうか? 「Clever Kash」は、このような悩みを持つ親のために、振り替える過程をアプリによって、まるで実物のように表現し、貯金箱に現在の通帳の残高を表現する方法を提供する。

Clever Kash の技術は、それほどすごいものではない。しかし、スタートアップの立場から見れば、今後の高度化されるクレディビリティが中心となるキャッシュレス社会で、実物の現金のニーズにどのように対応すべきを考える契機を提供してくれる。

企業間信用取引を助ける「Bill.com」

企業間の取引は、ほとんどの場合は信用取引で、現金取引とは異なり複雑である。会社別に手形の満期日を確認し、有効期限内に代金を受けとることも複雑だが、それで終わらない。受取手形の不渡り率を予想し、受取手形と売掛金の間に発生する現金の流れを管理しなければならない。

この過程では、多くの文書を受け取って処理するために、かなりの労働力と時間がかかる。小規模のスタートアップが複数の取引先とのクライアントを持っている場合、このような取引を維持するのがかなり負担になるだろう。

Bill.com」は、このような企業間の信用取引の分野における、不快感から逃れる機会を発掘した。受取手形や売掛金を送信する場合、これらの信用取引の文書処理を簡単にしてくれる。「Bill.com」によると、一般的に一週間程度かかることを、このプログラムを使えば、数分以内に処理できるようにするという。

クレジットカード決済、POS、在庫管理を同時に処理する「Square」

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最近では、信用決済はクレジットカードだけではない。アプリカードをはじめ、さまざまな決済方法が試みられている。しかし、小規模店舗では、変化する決済環境に適切に対応できていない場合が多い。

Square」は、小規模店舗を対象にさまざまな決済ツールを提供している。それだけでなく、Van ソリューションとレジの役割をする POS システムと加盟店の販売・在庫管理と請求書管理を支援するソリューションをワンパッケージで提供する。

オフラインと同様、オンラインでも運転免許証での身分証明ができる「Jumio」

韓国では、公的証明書や携帯電話などで身元を確認する。このような方法は便利ではあるが、同時に多くの問題点もある。特に海外居住者の場合、身元確認のためだけに韓国の携帯電話を契約しておくのは不合理だ。

それなら、身元を証明する方法をより多様化すべきだろうか? ところが、新しい方法を作り出す前に、このような質問を一度してみよう。なぜオンラインでは、住民登録証・運転免許証で身元確認を行うことができないだろうか? つまり、住民登録証や運転免許証などの身分証明書は、なぜオフラインでのみ使用されるのか?

アメリカでもオフラインの身元確認の手段として、運転免許証を活用する。「Jumio」は、このような身分証明書を活用した身元確認サービスを提供する スマートフォンなどで身分証明書をスキャンし、この情報をリアルタイムで提供して、オフラインで直接身分証明書を提示したのと同じ環境を構築することができる。

クレジットカードの安全性と活用価値を同時に高める「Final」

「Jumio」が身分証明書のオンライン提示で取引の安全性を高める一方、「Final」は、クレジットカードの利用を制限し、安全性を向上させる方法を提供する。クレジットカードの使用可能時間と限度額を設定することはもちろん、特定のサイトでのみ使用可能なクレジットカード番号を生成し、生成されたカード番号を管理することを可能にする。

例えば、Amazon と eBay それぞれでの取引のために、別々のカード番号を使うことが可能になる。Amazon での取引用のカード番号は、eBay で利用することができないので、カード番号がどこかで流出したとしても被害は最低限に抑えられる。もちろん、取引毎の使い捨て番号を発行してもらうこともできる。


最近新たに登場しているフィンテック・スタートアップは、自分たちのやり方に合わせて、消費者の行動を変化させようとはしていない。彼らはむしろ、消費者の不便を具体的に把握し、既存のライフスタイルを維持しながら、改善された技術を享受できるようにしたり、既存の方式に加えて、さらに便利な方法を追加で提案したりして、消費者の厚生を増進させている。

【原文】

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

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