会員数は20万人を突破、ネット宅配クリーニング「リネット」24時までの集配に対応

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宅配ネットクリーニング「リネット」を展開するホワイトプラスは9月29日、東京都23区内で夜24時までの集配サービス「夜間便」と梱包せずにそのまま配送する「シワなしハンガー便」を9月30日から開始すると発表した。

夜間便は独自物流を整備することで実現した、夜9時以降の集配サービス。東京23区内でまず開始し、将来的に利用可能範囲を拡大させる。同社のアンケートによると、ネット宅配クリーニングの利用者層の3割が夜9時以降の帰宅と回答しており、通常の宅配便の最終集配時間外であることが今回のサービス提供のきっかけ。

東京23区内に在住のプレミアム会員が利用対象で、これにかかる追加料金は無料。また、配送時の梱包ジワを解消するためのサービス「シワなしハンガー便」もプレミアム会員が利用対象で、1注文あたり300円が追加で必要となる。(年内は無料)

リネットは受付時に必要な衣類チェックを独自の手法で効率化したことで、クリーニングの完全なオンライン化に成功したモデル。2009年のサービス開始時から3年かかってこの手法を構築し、また、クリーニング工場を自前だけで持たないネットワーク型にすることでこちらも効率化を可能にした。

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結果的に会員数は今年の9月時点で20万人を突破したそうだ。ユーザーの66%は関東圏在住で、30代から40代の共働き家庭が中心になっているのも利用シーンから考えて納得がいく。会員数10万人を獲得してから約1年半なので、2009年創業時からの年数を考えると、着実に増加数に加速がついてきているのも注目したい。

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一方で課題も当然まだある。ホワイトプラス取締役の斎藤亮介氏によれば、利便性と品質についてはまだ追求の余地があるという。

「これまでもマンションに宅配ボックスがある方は家にいなくても受け取れるのと、コンビニからも24時間出すことはできたのですが、宅配ボックスがない方やコンビニから出すことはできてもサイズの問題で受け取りたくても受け取れない、という声がありました。また、品質については、クリーニングされた衣類が段ボールの中に畳まれて届くので、どうしても畳みジワがついてしまうことがありました。これまでシワにならないような梱包方法や緩衝材を試行錯誤してきましたが、どうしても梱包ジワをゼロにすることは難しい状況でした」(斎藤氏)。

ネット完結のSaaSのようなサービスと違い、サービスを提供するEC事業ではこういう物理的な制約を乗り越えなければならない。また、2013年当時(初回の大型調達時)では100万人となっていた目標数についてもさらに積み増しされているようだった。

「今後の会員数については、2020年に300万人という目標を掲げています。クリーニングの市場規模やサービスのEC化率の伸びを踏まえると、それぐらいはいけるだろうということで、社内の目標として掲げています。まだクリーニングをネットで頼むという行動は一般的ではないですが、本や服などのモノがネットで買うのが当たり前になったように、クリーニングというサービスもネットで頼むのが当たり前の世界が来ると確信しています。その世界を自分たちが作り出すことが使命だと感じています」(斎藤氏)。

サービスECという言葉が出てきてからしばらく経過するが、着実にその世界観は定着してきているように感じられる。

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