「pairs」ユーザー数500万人目前で代表交代後も成長中のエウレカ、新CTO就任で「積極的な事業投資実施」へ

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エウレカ代表取締役の石橋準也氏(左)と執行役員 CTOに就任した金子慎太郎氏

婚活マッチングサービス「pairs」やカップル向けのコミュニケーションアプリ「Couples」を運営するエウレカは10月24日、執行役員 最高技術責任者(CTO)として同社の金子慎太郎氏が就任したと発表した。金子氏は2012年からエウレカにてpairsおよびCouplesの立ち上げに参加してきた人物。

エウレカは今年7月に代表取締役を創業者の⾚坂優氏から当時取締役COO兼CTOだった石橋準也氏に交代(正式な交代は9月)を発表しており、金子氏をCTOに起用することで同社としてより強いエンジアリングに対するメッセージを伝える目的があるとしている。

本誌では石橋氏、金子氏の両氏に共同創業者の赤坂・西川(順・現取締役副社長COO兼CFO)体制からどのような変化があったのか、両氏にお聞きしたので下記にお伝えする。(太字の質問は全て筆者。回答の敬称は略させて頂きます)

まずは石橋さんに経営体制の変化について。代表交代発表から約3カ月経過してどのような変化がありましたか?

石橋:元々2016年に入ってから、実質石橋トップの体制で経営を進めてきました。半年経って特に問題も無かったので、名実を合わせるために正式に赤坂が代表を退任する運びとなりました。経営交代におけるマイナスインパクトは事業上も組織上も特に発生することがなく、とてもスムーズな交代でした。

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pairsのユーザー数推移(同社サイトから)

具体的な数字で表現するとどのような状況でしょうか

石橋:プラスインパクトで言うとこの3カ月間でpairsのユーザー数は400万人から450万人に伸び、マッチング数も2,700万を突破して500万人突破も目前です。同じくCouplesも350万DLから380万DLに伸びています。今年に入ってからは明確な目標設定とそこに向けた経営リソースの選択・集中及び事業面・組織面での改善のPDCAを加速してきた結果、売上は前年比で150%成長見込み、この四半期に関しても前四半期比で120%成長となっています。

体制が変わっても成長はそのまま維持されているんですね

石橋:従業員数も前四半期比で100名から130名に増えました。今年始めにはまだ80名だったので、実質上の経営体制交代からは50名ほど増加したことになります。

ただ私にとって第3四半期は、あくまで経営体制交代の余波を押さえつつ、着実に実績を出し周囲の信頼を得ることで、今後に向けたはずみを付けるという土台作りの期間でした。第4四半期は金子のCTO就任に伴う経営体制の強化や、社内のマネージャーやリーダーを倍増し、経営陣やそれまでのマネージャーの兼任ポジションを一掃して組織体制の強化を図ったことなどを含めて、一気に攻めに転じる期間にしようと考えてます。

石橋さんは元々CTOとして技術面を支えておられました。今回、金子さんを新たにCTOに起用することで技術職がより強くなりそうです

石橋:金子に期待しているのは、ここから名実ともにエウレカを日本トップレベルに技術力が高いと認識される企業へと引き上げることですね。金子ならこれができると思ったので、この度CTOに選任しました。良いエンジニアを採用することは良いサービス作りの一環であり、我々がグローバルで本気で勝っていくためには、高い技術力とその技術力をサービスのグロースに活かせるトップクラスのエンジニアの更なる増員が不可欠だと考えているからです。

今後の成長戦略についてはどのようにお考えでしょうか

石橋:ビジネス的な側面で言えば、代表交代に伴って「誰が経営しているか」名実がはっきりし、この3カ月で InterActiveCorp(IAC・2015年にエウレカを子会社化)とのコネクションも当然強化されています。今後は、IAC及びエウレカが持つ潤沢なキャッシュを元に、国内外で積極的な事業投資をおこなっていきたいと考えています。

では金子さんにお聞きします。CTOとして描いている技術戦略、方針などについて

金子:ミッションとして「普遍的に優秀な人材として成長し続け、プロダクトに向き合い続けるエンジニア」を据え、方針として「技術の多様化に適応し続け、スケーラビリティな開発組織(プロセスゲインな開発組織)」を設定しています。

エウレカの開発陣が抱える課題みたいなものはありますか?

金子:エウレカにいるメンバーは常に成果を出し続けていますが、まだ「グローバル」として活躍できる優秀なエンジニアが少ないという課題があります。継続的に成長するために常に課題提起・解消への実行力が必要で、そのような場を提供し続けたいと考えています。

具体的な方向性は

金子:2016年4月にGo言語によるフルスクラッチが完了し、ソースコードやインフラはスケールするようになりました。今後、メンバーが増えたときやチームが細分化されても開発スピードの落ちない開発組織へと変化させていきます。またフォーカスできる体制(オペレーションの最適化)として人が対応しなくてもよい部分を積極的に自動化することは考えてますね。例えば3回同じことをやったら自動化する、とか。

CEOの赤坂優氏に聞く、男女ツートップ共同創業のエウレカが米国企業によるM&Aという結果を出せた理由

最後に石橋さんに。子会社化という過程を経て経営陣が交代し、次の成長フェーズに入るという経験をされている中で、これまでの赤坂・西川体制から変えたくないもの、変えたいものについて教えてください

石橋:変えたくないものはカルチャーで、変えたいものは会社のステージとメンバーの視座です。

エウレカの社員は時代・国家・産業・企業に依存しないユニバーサルに優秀な人材へと成長し続けようとする高い成長意欲を持つメンバーで構成されていて、これはまさに創業者の二人が作り上げたエウレカの素晴らしいカルチャーだと思っています。今年の初めにミッションやビジョン、マインド、行動規範という形でマネージャーと共に整理し、採用基準や評価基準にも落とし込み、今、益々このカルチャーは深まっています。

変化については

石橋:私はエウレカのカルチャーを守り、今の事業の安定的な成長を支えるためにCEOになった訳ではありません。今エウレカは創業者の「0→1」、「1→10」の時代が終わり、新たに経営者が「10→100」、「100→1000」に誘う時代に突入しています。経営者として足元の連続的な成長とジャンプアップのための非連続的な成長を繰り返すことで、「10→100」フェーズを早々に抜けて「10→1000」のフェーズに突入したい。

具体的な目標値はありますか?

石橋:新規事業を考えるなら10億じゃなくて100億は当然、できれば1000億、なんなら1兆、ユーザー数も100万人、1000万人じゃなくて1億人、10億人を狙います。今更ただのインターネットサービスじゃつまらないから、理研や大学に埋もれているテクノロジーを発掘してグローバルでビジネス化しよう。そんな風にものごとを考えられるメンバーが増えて、そんなメンバーがエウレカを卒業しても「エウレカマフィア」のような形でグローバルで活躍していける人材を輩出する企業にしたいと考えてます。

興味深いお話ありがとうございました

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