デザインスタジオ大手のIDEOとGenuine Startups、合弁でアーリーステージ向けVC「D4V(ディー・フォー・ヴィ)」を設立

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左から:IDEO Tokyo ディレクター野々村健一氏、IDEO パートナー Tom Kelley 氏、Genuine Startups 高野真氏、伊藤健吾氏(IDEO Tokyo にて)

パロアルトに本拠を置く世界的なデザインコンサルティングファーム IDEO と、東京に拠点を置くベンチャーキャピタルの Genuine Startups は3日、合弁でベンチャーキャピタル「D4V(ディー・フォー・ヴィ)」を設立すると発表した。D4V の拠点は東京に置き、ファウンディングパートナーとして、IDEO から同社パートナーの Tom Kelley 氏と IDEO Tokyo ディレクターの野々村健一氏、Genuine Startups から高野真氏、伊藤健吾氏、谷家衛氏が参画するほか、ソニーの元取締役社長で現在はクオンタムリープの代表取締役を務める出井伸之氏と、ハリウッド俳優で投資家やプロデューサーとしても知られるマシ・オカ氏がエグゼクティブ・アドバイザーに就任する。

d4v_logoD4V への出資比率は、IDEO Tokyo 4割に対して、Genuine Startups 6割。Genuine Startups は第1号ファンドで50社超への投資を実行しており現在第2号ファンドを組成中だが、実質的にこの第2号ファンドが D4V に取って代わられることになる。ファンドの規模は未確定ながら、高野氏は来年の3月くらいまでに50億円程度の規模を目指し、将来的にはアメリカからも LP を募っていく計画だと話した。

新 VC である D4V の名前は、Design for Ventures に由来する。この合弁会社において投資先のスタートアップに対し、IDEO はデザイン思考やベンチャーデザインに関する専門知識を提供し、Genuine Startups は主にディールソース、人的ネットワーク、経営ノウハウを提供することになる。ただし、スタートアップにデザインの要素を投入しようとか、デザインにフォーカスしたスタートアップに特化して投資することを意図しているわけではなく、利潤の追求はさることながら、「成長していない会社を(市場から)アウトさせて、成長可能性のあるベンチャーをインさせていきたい(高野氏)」という、ミッションオリエンティッドなコンセプトに基づいて投資先を選定していくとのことだ。

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左から:Genuine Startups 高野真氏、IDEO パートナー Tom Kelley 氏、Genuine Startups 谷家衛氏(IDEO Palo Alto にて) Image credit: D4V

IDEO のパートナーで、ベストセラー「クリエイティブ・マインドセット(原題:Creativity Confidence)」の共著者でもある Kelley 氏は、プレスに向けて開いた会見で次のようにコメントした。

Apple は Steve Jobs が Steve Wozniak に出会って生まれた。以前、Steve Wozniak は HP に勤めていたが、彼は Steve Jobs によって発掘された。私は、Wozniak のような人が多く日本に埋もれているのではないかと思う。そういう人を発掘し、育てていきたい。

Kelly 氏は、アメリカの IDEO では、同社が運営するスタートアップ協業プログラム「Startup In Residence」への参加を通じて、例えば、毎日飲む薬を1回分に分けて包装してくれる「PillPack」のようなスタートアップが、IDEO で机を並べて共に仕事に励む起業家な中から生まれているとも語った。D4V はアクセラレータやインキュベータではないが、将来的には、IDEO が持つアセットを活用したハンズオン支援なども期待できるだろう。

D4V の投資スコープは、基本的に日本のアーリーステージのスタートアップになるが、IDEO が世界9箇所に持つオフィスのほか、4名のファウンディングパートナーや2名のエグゼクティブ・アドバイザーが持つ世界的な人脈を活用し、投資先の世界展開や海外のファンドからのフォローオン投資も支援していきたいとしている。

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