モバイルスポーツベッティングのKibow、イギリス政府の賭博規制委員会からベッティング事業免許を取得——来年サービス開始へ

SHARE:

uk_kibow_gate_was_opened_gold

シンガポール法人で東京を拠点にモバイル・スポーツ・ベッティングを開発・運営するスタートアップ Kibow は18日、イギリス政府の Gambling Commission(賭博規制委員会)からベッティングライセンスを取得したことを発表した。同社はこれまでにフィリピンでもベッティングライセンスを取得しているが、ベッティングの本場であるイギリスでライセンスを取得したことにより、今後、サービス立ち上げに向け準備を一気に加速させる。

2015年の為替レートで時価総額10兆円(83.79億ドル)に上る「Nike(NYSE:NKE)の背中を、創業から10年で見られるような存在になりたい」と意気盛んな Kibow CEO の直江文忠氏にとって、今回のイギリスでのベッティングライセンスの取得は、「自分たちにとっては上場よりもすごいことで、サッカーで言えば、プレミアリーグ入りが認められたようなもの」とその喜びを隠しきれない。反社会的な要素を排除し、企業としての健全性を徹底的にチェックする Gambling Commission からの認定により、Kibow はイギリスをはじめとする海外諸国で、大手を振ってファンタジースポーツスポーツベッティングの世界に参入できることになる。

Kibow CEO 直江文忠氏

このところ、2020年東京オリンピックのボート・カヌー競技会場の見直しが論議を呼んでいるが、そもそも、このような問題が浮上する背景には、金がかかり過ぎるという現実がある。プロスポーツの世界では、メディアを通じて視聴者や一般市民の関心を集め、世界的な大会を開催して放映権・スポンサー料・チケットを販売、集まったお金を原資に、ギャランティや賞金という形で、アスリートやプレーヤーに還元されてきた。言わば、スポーツビジネスのエコシステムである。しかし、このしくみにも欠点があり、メジャーなスポーツに関わった者しか報われず、オリンピックの金メダリストでさえ、現役引退後の人生は全く保証されていないのが現状だ。

Kibow が考えているのは、モバイル・スポーツ・ベッティングを通じた、スポーツビジネスの新たなエコシステムの形成であり、一般市民からアスリートやプレーヤーにお金が還流するフローを変えることで、マイナースポーツやエクストリームスポーツに関わる人々に光を当てようとするものだ。先ごろ、日本財団が日本最大の社会起業イベントを開催したが、彼らが全国で主催するボートレースの売上金の一部を原資に、ソーシャルアントレプレナーに資金提供していることを考えれば、スポーツ・ベッティング、スポーツビジネス醸成、アスリート育成の間に関係が成立することを理解しやすいかもしれない。Kibow では今後、ユニークなコンテンツ性を持つ日本のマイナースポーツやエクストリームスポーツへのベッティング機会を提供し、イギリスをはじめとする諸外国のベット参加者を魅了していく計画だ。

この分野では、ソフトバンクが2013年、イギリスの大手オンライン・ブックメーカー Betfair の株式23%を3億5,500万ポンド(約603億5000万円)で取得している。アメリカでは今年に入って、DraftKingFanDuel といったスポーツ・ベッティングのスタートアップがサービスを開始している。

Kibow ではブックメーカーとしての機能のみならず、スポーツブランドやライフスタイルブランドとしての位置づけを標榜しつつ、来年2月をメドにイギリス国内向けのモバイル・スポーツ・ベッティングのサービスを開始したいとしている。同社は2015年4月、サイバーエージェント・ベンチャーズや個人投資家から約1億円を資金調達している。

kibow-mobile-betting-app-concept-image
Kibow のモバイルベッティングアプリのコンセプトイメージ