本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら。
先ごろ幕張メッセで開催された「サイクルモードインターナショナル2016」では、売上を伸ばす上でニッチな市場に挑む多くのスタートアップが紹介されていた。サイクルモードは、この分野に取り組む人たち、とりわけ、健康を趣味とする人々や初心者のサイクリスト、さらには、プロのライダーやオリンピックに参加するトライアスロン選手まで、あらゆるアスリートを魅了するイベントだ。グロータックに加え(先ごろ投稿した、中小企業総合展に関する記事を参照)、他のスタートアップも参加していた。
Cerevo は、1,000以上のブースが軒を連ねる今回のイベントに、スマートサイクルデバイスを提げての初参加だ。この位置捕捉センサーの備わったパッケージは、WiFi、GPS、さらに自転車のコンピュータとして ANT+ を用いて、プロの利用にも耐えるロードトリップの管理機能を提供する。
セレボは、以前大会に参加したサイクリストをスタッフに起用しており、東京を拠点とするネットワーク家電メーカーとして、9つの軸の商品で市場を拡大することを目指している。
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無線を使った事例としては、スクーターやペダルバイクに特化した東京の商社ジェイアールエスが、静岡のスタートアップであるオンズカンパニーが開発したスポーツ用コミュニケーションシステムを展示していた。
「BB Talkin’」と名付けられた、この Bluetooth を使ったインターフォンは、もともとはウィンタースポーツやウォータースポーツが好きな人に向けて開発されたものだ。しかし、最近では、カジュアルなサイクリストが加わりつつあるモータサイクルライダーやハンググライダーにも利用範囲が広がっている。
興味深い展示をしていたのは、2015年のサイクルモード初回からブース出展し、その規模を拡大し続ける韓国の WIAWIS だ。ナノカーボン自転車に特化しており、特筆すべきは、アーチェリー選手用に弓を作っている弓メーカーによって生産されている点だ。
オリンピックで使われる弓は、ほとんどがカーボン材料を使って作られているため、同社は自転車生産の市場に参入することを決めた。アーチェリーとは違い、自転車はいくつかの複数のオリンピック種目で使われているからだ。
今回のサイクルモードは、日本臨床スポーツ医学会の年例会の隣のホールで開催された。ここからわかるのは、情報技術から材料技術まで精査されている新技術だけでなく、スポーツサイエンスやスポーツ医療も2020年のオリンピックに向けた注目分野であることを物語っている。優れた技術をもとにしたイノベイティブな応用事例を通じて、この業界に参入するスタートアップはさらに増えることが予想される。
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