FacebookがMessenger上で遊べる「Instant Games」を計画中——HTML5ゲームデベロッパへの高まる期待感

mark-bivens_portrait本稿は、パリと東京を拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。英語によるオリジナル原稿は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Paris- / Tokyo-based venture capitalist Mark Bivens. The original English article is available here on The Bridge English edition.


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購読型メディアサービスの「The Information」は先週金曜日、Facebook Messenger がプラットフォーム上に HTML5 ゲームを導入し、チャットフィード上でインスタントゲームが楽しめるように計画しているらしいとの記事を掲載した。

この報道が正しいとすれば、私はこの開発が、多くの理由で極めて興味深いと考えている。

第一に、これはゲームにおける HTML5 の終焉の噂だけが誇張されてきたことの、さらなる確認となるだろう(私は、ここここでその理由について、長らくにわたって言及してきた)。

第二に、この機能は間違いなくエンゲージメントを加速させ、消費者が Facebook Messenger のプラットフォーム上で時間を費やす割合を伸ばすことになるだろう。Instagram、Oculus、Facebook 自体もまとめれば、Facebook はいったい週に何時間をユーザから Messenger を通じて捕捉することになるだろうか。

さらに言えば、マネタイゼーションできる機会が増大することになるだろう。Facebook は、ユーザ習慣についてより深い情報を集めることで、広告のターゲティング・プロファイルを充実させることができるようになる。Facebook は、ゲーム内課金や「ねこあつめ」のような HTML5 を使ったプレイアブル広告から、多くの売上を稼ぎ出せるようになるだろう。Instant Games は、Facebook 版アプリストアへの新たな入り口になるだろうか?

最後に、Facebook Messenger がメッセージアプリとして上位に入っていないいくつかの市場において、Instant Games が Messenger の位置付けを強化できるのではないかと考えている。私は、Facebook Messenger が中国の WeChat(微信) を失脚させるとは思っていないが、Kakao の韓国、LINE が人気の日本・台湾・タイがこの流れに参戦してくるかもしれない。私は、Facebook の Messenger 担当チームがどのようにゲームを選ぶか、例えば、市場のニーズに応じたゲーム選定を行うのか、あるいは、アメリカ集約型のコンテンツ戦略をとるのかについて興味津々だ。

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