アジアを旅する若手起業家・大日方祐介氏、バンコクを拠点にハイエンド向けバケーションレンタル「UPSTAY」をローンチ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2016.11.1

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大日方祐介氏

【11/1 正午更新】役員に誤った人物が含まれていたため削除、エンジェルラウンドの投資家に East Ventures を追記、日本のインバウンド観光客人口を修正。

大日方祐介(おびなた・ゆうすけ)氏は、20代の日本人にして、アジアのスタートアップ・シーンで最もよく目にする存在と言っても過言ではないだろう。早稲田大学在学中からスタートアップ各社でインターンを務め、今年初めまで East Ventures で国際ディレクターを務めていた人物だ。この1年くらいは東南アジアで伸びしろのあるバーティカルを探しに各地のスタートアップ・ハブを歴訪、その行動力と人脈作りのエネルギーでは右に出る者はいないだろう。そして、そんな彼の絶え間ない努力がようやく一つの形を見せ始めた。

大日方氏と彼のチームは1日、東南アジアのハイエンド向けバケーションレンタル・サービス「UPSTAY」をローンチした。当初、対象とする宿泊物件エリアは、バンコク(パタヤを含む)・プーケット・バリ島の3拠点のみ。日本語と英語で利用でき、近い将来には、東南アジアの人々に広く使ってもらえるよう、アジア各国の言語もサポートする予定だ。

Airbnb や HomeAway などの台頭により、ここ数年でバケーションレンタルは活気ある市場となった。一方で、旅行者のトレンドとしては、旅先でいいホテルに泊まるより、同じコストを支払うならプールやジムもついている民泊物件に泊まる方がいい、と考えるミレニアル世代が増えているそうだ。しかし、従来からあるバケーションレンタルのマーケットプレイスでは、あらゆるレンジの宿泊需要を網羅しようとするあまり、ハイエンドで良質の物件が検索結果の中に埋もれてしまっているというのが大日方氏の見立てだ。

EC も当初は eBay のような売り手と買い手をつなぐピュアな C2C から始まって、今は、いろんな便利な付随サービスがつくものが主流になっている。バケーションレンタルの世界でも、同じようにハイエンドを紹介するものが出てくるべき、と思った。(大日方氏)

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UPSTAY

UPSTAY では、バンコク・プーケット・バリ島にある民泊物件を管理するサプライヤーと契約、ハイエンドな物件に特化し、良質な周辺サービスの提供に注力することで、バックパッカーなどよりもミドルアッパー層の旅行者の取り込みを狙う。サービスの質を担保するために、UPSTAY に物件を供給するサプライヤーは一定基準をクリアしたプロパティマネジメント事業者に限定し、個人サプライヤーは、民泊のサービス提供に長けた一部のプロフェッショナルのみに絞るそうだ。

アジアの人々には、もともと他人の家に泊まるということが日常の習慣としては無いので、(バケーションレンタルは、ハイエンドからローエンドまで)マスが使うものとしては難しいのではないか。(本来のバケーションレンタルのコンセプトは)alternative accommodation として、ホテルの広い部屋をとらなくても、安くて自由な空間が使える場所に泊まれることが、革命的なのではないかと思う。(大日方氏)

大日方氏が、新事業の舞台とするのは東南アジアだ。UPSTAY の事業母体はシンガポール登記しており、活動拠点はバンコクに置く予定。日本の国全体のインバウンド観光客1,100万人2,000万人に対し、バンコクは一都市だけで2,100万人が毎年やってくる観光産業の街であるため、民泊物件のサプライヤーにリーチしやすい環境が整っており、UPSTAY にとってもビジネスがやりやすい。UPSTAY チームの顔ぶれを見てみると、LINE の各種プラットフォーム開発を手がけた手島拓也氏が CTO を務めている。

アジアでは、NIDA RoomsZenroomsRedDoorzAiryRoomsOyorooms など、ホテルサービスの新しい形態が現れているが、日本にはそのようなサービスがない。社会システムが成熟してしまったがゆえのボラティリティの低さという副作用とも見れるが、そのような観点からも、世界を変えるスタートアップを目指すなら、アジアに根を張る意味は大いにあるのかもしれない。

UPSTAY はエンジェルラウンドで、East Ventures および日本とシンガポールの個人投資家数名(名前は非開示)から出資を受けている。ハイエンドのバケーションレンタルの領域では、欧米を中心に OneFineStayOwners Direct、TripAdvisor 傘下の HouseTrip などが存在するが、アジアにおいては競合は存在しない。

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