スマホ家庭教師「manabo」が2.5億円調達、Z会と資本業務提携

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家庭教師にスマートデバイスからいつでも質問ができるオンラインチューター「manabo」を提供するマナボは11月1日、Z会などで知られる増進会出版社に対する第三者割当増資の実施を10月に実施したと発表した。

調達した資金は2億5000万円で株式比率や払込日などの詳細は非公開。両社はこれに伴い、業務提携による協業内容についても公表している。また、マナボは同日にディー・エヌ・エーなどでマーケティング活動に携わった彌野泰弘氏とZEホールディングス取締役の下田 勝昭氏が社外取締役に就任したことも発表した。

増進会出版社はグループ各社を通じて幼児から社会人に至るまで幅広い層に対して教育サービスを提供しているが、回答についての即時性に乏しくなることが多く、マナボの技術とサービスを取り入れることで補完関係が結べるとしている。

具体的な協業内容として両社は2017年度より、Z会通信教育高校受験コース受講会員となる中学3年生に対してマナボのオンラインチューターサービスを提供するほか、Z会のタブレット向け受講サービス「Asteria」でも同様のサービス提供を開始する。

また、増進会出版社グループの栄光ゼミナールでも生徒一人一人に選任のナビゲーターが付く「ナビオ」通学の全塾生に対してオンラインチューターサービスが提供されることになる。両社はこれ以外の範囲でも共同でサービス開発を実施し、2017年度以降のサービス拡大を目指すとしている。

マナボ代表取締役の三橋克仁氏によれば、具体的な数字は非公開ながら今回の資本事業提携が同社の数字に与えるインパクトは多くなると予想する。

「2015年は個人向けサービスで頑張っていました。ただ、CPA(一人当たり獲得単価)とLTV(顧客生涯価値)を考えるとどうしても壁にぶち当たってしまう。ということでB2B2Cに振り切ったのが昨年の末だったんです。営業などに力を入れたことで国内の教育系事業者とはほぼ繋がることができ、その中で栄光ゼミナールさんとトライアルをやった結果、いい数字が出たので一緒にやろうということになったんです」(三橋氏)。

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元々、manaboは個人の学習者向けに1時間数千円のやや高額のサービスを提供していた。これを塾などの大箱にカスタマイズした自習室プランというものを作り、栄光ゼミナールなどの提供する自習室で使い放題にした結果、これが当たったというわけだ。

「塾は講師を採用して対応してもらうわけなんですが、文系の先生で数学を教えて欲しいというリクエストや、1対Nの質問にどうやって対応するかという課題があったんです。生徒さんのカスタマーサポート的な側面をカバーする意味でこのプランが伸びたのだと思います」(三橋氏)。

少子化が叫ばれる中、三橋氏によれば各学年の人口は120万人ほどでゆるやかに毎年数パーセントずつ減っている現実があり、各種学習機関も生徒の確保をより真剣に考える時期に来ている。そういう意味でも三橋氏が表現した「生徒のカスタマーサポート」という方向性はいい意味で法人の心を掴んだのかもしれない。

ただいい話ばかりではなく、法人向けの営業転換でマナボのチームにも違和感を感じるメンバーが出て来た結果、以前取材した際に20名ほどだった人員は6名ほどにまでスリム化されたそうだ。

勢いよく個人向けサービスで一気にスケールする夢を見がちだが、こと国内では個人向けサービスが一段落した段階で法人向けのプランを出す例をよく耳にする。三橋氏も最終的には個人向けサービスが伸びしろになると語っていたが、調達一辺倒で伸ばすことを許されるサービスはほんの一握りだ。

今回の法人向けサービスでPLを最適化できるかどうか。彼らが思い描くオンライン教育という夢のある世界が広がる可能性はここにかかってるのではないだろうか。

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