スタートアップの名前を決める際のべし・べからず集【ゲスト寄稿】

by ゲストライター ゲストライター on 2016.11.23

mark-bivens_portrait本稿は、パリと東京を拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens によるものだ。英語によるオリジナル原稿は、THE BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Paris- / Tokyo-based venture capitalist Mark Bivens. The original English article is available here on The Bridge English edition.


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一年ほど前、私はフランスのスタートアップ命名の失敗例を紹介し、後日ネーミングに関する建設的なアドバイスについて書くことを約束した。英語を母国語としない起業家が国際的なネーミングをすること称賛したい。やはり、英語(さらに言うとブロークン・イングリッシュ)はビジネス界の共通言語だから。

英語の間違いを見つけた時に私はそれを馬鹿にしないし、私自身も母国語以外で誤った言語表現を使った経験は多数ある。だからこそ英語を母国語としない起業家に言いたい。スタートアップを命名する時に、英語のネイティヴスピーカーに「この名前は大丈夫か」と確認を取らないのはおかしな話だ。

この簡単な作業を怠ったために、ネーミングに失敗したフランスに実在するスタートアップを以前のポストでいくつか紹介している。今回はスタートアップのネーミングに有効的な方法を、私が実際にベンチャーキャピタリストとして投資先企業を見て学んだ経験を活かして紹介したい。

マーケティングの基礎

最初に、あなたのビジネスのマーケティングの基礎を確認しよう。それは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングだ。ターゲットとする市場と、その中でのポジショニングを再認識するのが大事だ。思い付いたネーミングに沿う形でビジネスを形成する誘惑はあるが、そのような起業は失敗する。(私も90年代半ばに Virtual Realty という不動産の物件紹介に360度バーチャルツアーを取り入れるビジネスに挑戦したことがある。確かにネーミングは抜群だったが、マーケティングの基礎を無視するような起業は失敗に終わってしまった。)

ブランディング

決めるべきは、その名前が企業の対外的なブランディングの意味が大きいのか、あるいは主力商品を表すネーミングなのか。特にどちらの方が良いというわけではないが、序盤にこれを明確化しないことによって、後々苦しむ企業を多く目にしてきている。

ビジネス内容を説明するネーミング? シンボリックなネーミング?

あなたのビジネス活動を説明する(またはそれを示唆する)名前を選びたいのか? あるいは、象徴的な名前がいいのか? 前者の例は Airbnb、Facebook、Microsoft などであり、後者の事例は Amazon、Apple、Google などだ。私はシンボリックな意味合いを持つネーミングを好むことが多い。なぜなら IT産業などの業界は流行と共に大きく変化するからだ。そのような環境の中で、企業側も適応し、変化し続ける必要があると考えている。だがこのようなシンボリックなネーミングをする際には、ブランド認知を高める上で当初のマーケティングにより多大な注力が必要になる。

第三者のフィードバック

自分の殻で閉じこもっていては良い名前は見つけられない。会社のステイクホルダーに、アドバイスを求めよう。経営陣(上方向)、従業員(下方向)、そしてお客様、サプライヤー、パートナー(横方向)など全方向から意見を頂こう。次はあなたが信頼を置いているビジネスとは無関係の知り合いにも聞いてみよう。赤の他人に聞くのもありだ。実際のところ、このように他人からのフィードバックを日頃から取り入れていないようであれば、十中八九あなたのマーケティングの感覚はズレている。

私も!

使われがちな用語には気をつけよう。例えば、昨年私はフランスの中だけで、12社ものスタートアップが社名に「pay」を使っているのを見つけた。日本では「market」という単語の使い過ぎ、そして単語に「ly」を付け副詞化する傾向が見られる。

言語チェック

最後に、あなたがビジネスを行おうとする市場のネイティヴスピーカーに相談しよう。そうすることで、知らない間に性感染症を社名として掲げるような大失態は免れられるだろう。

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