シンガポールのAimazing、音声によるモバイル決済システムのパイロットプログラムをローンチ

by Tech in Asia Tech in Asia on 2016.11.1

The Aimazing team at Slush Singapore in September 2016. From left: CTO, Kong Yi Kai, COO, Yar Hong Chiong, and CEO, Jun Ting. Photo credit: Jun Ting.
2016年9月に開催されたSlush Singaporeに参加したAimazingのチームメンバー.(左から)CTOのKong Yi Kai氏、COOのYar Hong Chiong氏、CEOのJun Ting氏.Photo credit: Jun Ting.

シンガポールで生まれたばかりのスタートアップ Aimazing は今月初めにパイロットプログラムをローンチし、モバイル決済用の最新音声技術の商業化に向けた一歩を踏み出した。

Aimazing の目標は、モバイル決済市場に現在使われている近距離無線通信(NFC)技術よりもさらに使いやすい選択肢を提供することだ。このソリューションのおかげで同社は9月に開催された Slush Singapore 2016 で上位30位以内に入り、Channel NewsAsia が主催する Start-UP プログラムシーズン4への参加も決まった。

Aimazing 対 NFC チップ

同社 COO 兼共同設立者の Yar Hong Chiong 氏は次のように述べている。

音が出るように電話は作られています。音を使えば、携帯電話を持っている人は誰でもモバイル財布にアクセスできます。

Aimazing で決済を行うには、ユーザのデバイスからデータにより暗号化されたサウンドコードを売り主のデバイスに再生すればよい。ここで必要なのは、送り手、受け手双方のマイクとスピーカーだけだ。

一方 NFC 技術はユーザ側でチップ、販売側で特別なリーダーが必要となる。さらに Apple のオペレーティングシステムでは第三者が iPhone の NFC チップを備えたソフトウェアにアクセスしたり開発したりするのを制限している。

こうした問題があるため、Singtel Dash や DBS Paylah といったモバイル財布の利用範囲には制約があった。

ゲーミングから決済へ

CEO の Jun Ting 氏と CTO の Kong Yi Kai 氏が4月に Aimazing を立ち上げたのは、ユーザがアイテムを入札するのにクレジットを使い、少額のオンライン決済ができるゲームがきっかけだった。

ゲームのユーザベースが十分な数に達した頃、Yi Kai 氏が開発したサウンド技術を導入する計画を立てた。これはオフラインでの決済を可能にし、Aimazing をモバイル財布とする技術であったがこれには費用がかかることがわかった。

そこで Hong Chiong 氏は自問した。

この事業をもっと持続可能なものに転化させるにはどうしたらよいか?それで、この技術を既存のモバイル財布企業向けに販売しようという方向に決めたのです。

チームに参加した Hong Chiong 氏は2016年6月にはすでに事業転換を開始・実行する手助けをしていた。彼らはSDK(ソフトウェア開発キット)、すなわち業者のアプリに Aimazing の技術との互換性をもたせるためのコード群を開発した。

Chope および Flezioとの提携

B2B モデルへの転換後、彼ら3人のチームは Chope Singapore および現地スタートアップ Flezio との提携を成功させた。この2つの提携により、同社サービスのバウチャー利用、また Flezio の加入者はコワーキングスペースにアクセスできるようになった。

Chope Singaporeアカウントでレストランバウチャーを利用するには、独自のバウチャー情報が暗号化された音声ファイルを顧客が受け取り、それをレストランにあるモバイル端末で再生するだけでよい。

一方、Flezio とのパイロットプログラムでの技術的な詳細については現在もまだ調整中だ。ただ、Hong Chiong 氏によると、Flezio の技術利用はサウンドコード形式で提供されるメンバー情報を作り出せるアプリのようなものになるという。サウンドコードがバーチャルなメンバーズカードの機能を果たすので、ユーザは予約したコワーキングスペースにアクセスしたり、入退出時間の電子的な記録を保持したりできる。

Chope Singapore 向けのパイロットプログラムは2016年末にかけて予定されており、その後、Aimazing はクライアントと共同で取引ごとの決済ビジネスに向けた取り組みを行っていく計画だ。

事業拡大に向けた潜在性

IJAM からの補助金やスタートアップ Zookal の設立者 Jon Tse 氏からのエンジェル投資を受け、同社はパートナー企業とともに自社技術の洗練化に力を注ぐ。また、デジタルドア施錠や e チケット向けに音声技術を活用すべく、他のクライアントととも交渉中だ。

最終的には Singtel Dash や DBS Paylah といった既存の第三者モバイル財布事業者と協力し、こうした企業に NFC スマホユーザを超えた大きな市場を提供したいと考えている。

できるだけ早く十分な資金を調達し、他の東南アジア諸国に事業を著しく拡張していくことが Aimazing の成功に欠かせない、と Frost & Sullivan で e コマースおよびデジタルトランスフォーメーション部門リードコンサルタントを務める Cris Duy Tran 氏は話している。

決済とフィンテック市場には大きな可能性がありますが、同時に競争も激化しています。インドネシア、ベトナム、フィリピン市場における銀行サービスはシンガポールほどには到底普及していません。こうした市場では革新的な決済ソリューションが必要とされているのです。(Cris 氏)

この記事は、Tech in Asia のキャンパスアウトリーチ活動の一環で執筆されたもので、当社は南洋理工大学の Wee Kim Wee School of Communication and Information(WKWSCI)と連携している。Tech & Startup Reporting Lab の学生は時事的な成果を披露することができ、ここの学生は One North Blk 79にある報道室からレポートを行っている。この協力作業による記事はこちらから

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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