著者のBernard Moon氏は、新しいグローバルシードステージファンドSparkLabs Global Venturesのコーファウンダー、ジェネラルパートナーであり、ソウルのスタートアップアクセラレータSparkLabsのコーファウンダーです。彼のTwitterはこちら。

去年、SparkLabsは世界のスタートアップエコシステム、トップ10をVentureBeatに初めて寄稿しました。今回は、2016年のランキングをお届けします。
トップ10位の顔ぶれは変わっていませんが、その中で動きがあります。ロサンゼルスは二つランクを上げ、ソウルに代わって5位の座につきました。この上昇は、OculusからDollar Shave Club、Snapchatの差し迫っているIPOを含めて、ユニコーンの数が増加したことが背景にあります。
こうした昨今の勢いは、ロサンゼルスのスタートアップシーンを二つの点で変えました。
まず、ロサンゼルスの次の起業家・スタートアップに出資し、積極的に関わることのできるエンジェル投資家の基盤をつくったこと。次に、成功は人材を引きつけます。この勢いは、ベイエリアの生活コストの高さともあいまって、シリコンバレーのトップの人材をLAと引きつけ、LAを米国内また世界の中でも魅力的な選択肢にたらしめるでしょう。LAのスタートアップエコシステムの今後5年間の変化はとても面白いものになるでしょう。
このトップ10位を決めるにあたって、私たちは次の8つの点を考慮しました。
資金調達のエコシステムとエグジット、エンジニアの人材、メンタリングの活発度、技術的なインフラ、スタートアップカルチャー、法律・政策面のインフラ、経済的な土台、政策と政府関連のプログラム、の8つです。
以下は、トップ10に入った都市の累積スコアです(最高で80点)。
シリコンバレーは引き続きトップポジションを維持しています。スコアは2点上がりました。エグジット、IPO、「ホットなスタートアップ」の数が伸びたため、スコアが伸びました。80点満点中の77点というのは、これ以上は不可能なほど良い点数です。
ロサンゼルスは57点から63点へ、7点スコアを伸ばしました。北京は55点から59点になりました。
北京は、ロサンゼスルスと同様に順位を2つあげて8位から6位になりました。北京は引き続き、アジアにおける最高のスタートアップハブとなっており、AIに対する投資を積極的に行うなど、将来に向けてそのポジションを強めています。
こうしたスコアを付ける際に考慮した8つの点のうち、いくつかの「ソフトな」側面に関しては点数を付けることが難しものの、実際に影響力をもつものでもありました。たとえば、創業チームのメンバー同士の信頼感の強さは非常に重要です。数値化することはとても難しいものの、信頼と相性の崩壊は多くのスタートアップが終わる原因にもなります。
Kleiner Perkinsの会長、John Doerr氏は次のようにいっています。
「君は自分に問いかけるべきだ。”この人たちと、次の5、10、15年にわたって共にトラブルを経験したいと思えるか?” なぜなら、新しい事業を築くにあたって、間違いないことのひとつは、トラブルに遭うということなのだから」。
同様に、エコシステムの文化的な特徴も重要です。「恩を別の人に送る」文化があることが、シリコンバレーの「成功の秘訣」であり、そのスタートアップ環境のコピーが難しい理由であることは何度も引用されてきました。
これは、築き上げることの可能なものですが、時間がかかります。アジアで私たちが提携するアクセラレータプログラムでは、ソウル、北京、シンガポールといったアジア中のスタートアップエコシステムにこの「恩送り」の文化を根付かせるための長期的な視点とミッションを掲げています。
トップ10の後半の順位では、パリやシンガポール、シカゴ、上海など、活気のあるエコシステムが継続して成長しているのがわかります。
あなたはどこのスタートアップハブに属していますか? 次のハブ都市はどこだと思いますか?
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
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