建設業マッチング「ツクリンク」半年で会員倍増の8500社に、急成長の理由とこれからの課題

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提供:ハンズシェア

クラウドやスマートデバイスの普及で、オンラインゲームやシンプルな情報メディア以外のネット活用が広がっている。特に興味深いと感じるのがこれまで情報化が進んでこなかった産業だ。飲食や理美容などのサービス業、農業や水産業などの食糧に関連する話題、そして都市インフラを支える不動産や建設業などもそのひとつに挙げられる。

先日開催された招待制カンファレンスのスタートアップ・ピッチ部門で入賞した Photruction は建設現場の記録写真をスマートデバイスとクラウドで効率化しているし、個人間のマンション売買をマッチングさせる Housmart は手のかかる仲介事業をシンプルにすることでビジネスチャンスを見つけようとしている。

そして同じくマッチングサービスで建設事業の効率化を狙う「ツクリンク」もここ数カ月、順調な伸びを示しているらしい。現場で何が起こっているのか、運営するハンズシェア代表取締役の内山達雄氏に状況を聞いた。なお、ツクリンクについてのサービス概要はこちらの記事、彼らのちょっと変わった起業ストーリーについてはこちらの記事をご参照いただきたい。

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ツクリンクサイトトップ

現在、彼らのサービスに登録している建設関連事業者の数は8500社ほど。内山氏によれば、500万円以上の事業受注に必要な認可を受けた建設業許可取得業者数が約47万社ということなので、山全体から言えばまだ1合目あたり。認可の必要がない500万円以下の受注業社を合わせると国内で100万社が登録対象になるそうだ。

順調に数字は伸びているが、登録促進はやはりそう簡単ではない様子だった。

「ツクリンクは現在、月に800社程の登録があって大手ゼネコンさんや、大手ハウスメーカーさん等の活用も進んでいます。ただここまでは楽な道のりではなく、サービスリリース当初は建設業時代の友人にお願いして使ってもらい、無理言って仕事案件を出してもらったり、紹介してもらったりしていました。

リリース当初は仕事の案件数も少なく、また建設業は業種が多種あって、対応可能地域と業種でマッチングしなくてはいけませんので、仕事を掲載してもマッチングしないことも多々ありました。現在は案件数も月に400件以上掲載があり、また会員数も増えてほとんどの案件に対してリアクションが起こるようになっています」(内山氏)。

サービスリリース当初のサイト。私も当時、取材をためらった覚えがある。

気になったのがいわゆる「ITリテラシ」問題だ。伝統的な業種は新しい手法への転換を嫌う傾向にあり、ここをどうやって乗り越えるかがいつも課題になる。ツクリンクはどうやって乗り越えたのだろうか。

「まず導入が進まない理由として IT に対する不信感やリテラシーの低さがあります。不信感に関しては登録していただいた会員さんに電話をかけ、実際に足を運んで色々とお話を聞かせていただいたり、サービスを利用していただくだけではなく、名刺のデザインやウェブサイト制作、会社のパソコンの設定や、メールの設定など、困ってることは何でも解決しようとして必死に信頼関係を築きあげてきた結果が今です」。

これは内山氏が元々建設業界の現場にいたことも大きなポイントになるだろうが、それでもパソコンの設定までしてしまうのはやはりすごい。リテラシについては他のレストランなどの業種でも聞いていたが、やはりスマートフォン、特にゲームの役割が大きく影響している。

「リテラシーの低さに関しては、LINEやゲームなどを頻繁に活用しているのはわかっていたので、スマホに関する障壁は低いと思い、アプリも含め、スマホ対応を最初からしていたところは大きいなと思ってます」。

写真:代表取締役の内山達雄氏は元鳶職人(撮影は2015年2月、前オフィスにて)
写真:代表取締役の内山達雄氏は元鳶職人(撮影は2015年2月、前オフィスにて)

一方でネガティブな反応もまだ多く残っている。内山氏の話では、顔の見えない事業者、特に与信関連に不安のある事業者とマッチングしてしまった際のリスクは大きく影響しているという。確かに発注・受注したはいいが、支払い額が大きい傾向にあるだけにトンズラされては悲惨だ。

また、ゼネコン関連や公共工事については書類等の手続きが多く、こういったフローに乗らないマッチングはハードルが高くなるのだという。

これ以外にも例えば建設業の人材不足や労働時間の課題など、実は建設業界にはまだまだ解決すべき課題がたくさんあるそうだ。彼の話からネットの進化で活用する事業者が拡大する一方、そこに適切なソリューションがまだ見つかっていない様子も見えてくる。

課題があれば解決するのがスタートアップの仕事だ。冒頭の Photoruction やツクリンクも含めて、ここに挑戦するスタートアップはまだまだ増えるのではないだろうか。

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