中国デビットカード大手UnionPay(銀聯)、Alipay(支付宝)やWeChat Payment(微信支付)に続きQRコードを使った決済サービスに参入へ

SHARE:
Image credit: Pixabay
Image credit: Pixabay

中国政府が支援する銀行カード企業 UnionPay(銀聯)は月曜(12月12日)、QR コードを用いた決済処理を開始する予定があることを発表した(中国語はこちら)。これは、他の業界では長らく利用されてきた QR コード技術について、政府が規制を緩和しようしていることを示す新たなサインにも思える。また、これにより中国国内のモバイル決済業界において、より熾烈な競争環境が生み出されることが予想される。Alipay(支付宝)と WeChat Wallet(微信銭包)は業界のメインプレイヤーで、二社でほぼ独占状態だ。

実のところ、金融取引に QR コードを利用することが法的に認められるようになったのはほんの数ヶ月前のことだ。中央銀行がセキュリティ面での懸念を示し、その後2014年3月から QR コードを用いたすべての取引が停止されることとなった。

しかし、この規制によっても、ここ2年で QR コード決済の導入が急激に進むことを止めることはできなかった。Alibaba(阿里巴巴)や Tencent(騰訊) が率いる中国国内のインターネット企業は、この技術の利用を一貫して推し進めてきた。

中国のインターネット企業は国内の規制当局との間に奇妙な関係を持っている。より多くの金銭的な支援を得ようと急ぐあまり、「許可を得るのではなく、お目こぼし願い出る」という手法を展開してきた。かつて、これと似たようなことがライドシェア業界でも起こった。その結果、Didi Chuxing(滴滴出行)や Dingding Yueche(叮叮約車)といった大手プラットフォームにおいても、いまだにドライバーの法的な身分は不確定な状態だ。

国内のサードパーティー決済企業による努力が功を奏した。インターネットコンサルタント企業 Analysys International のデータによると、サードパーティーモバイル決済ツールによる今年第2四半期の総取引高が7兆5,000億人民元(1兆800億米ドル)を上回った。もはや中国政府が支援する UnionPay がこのトレンドを無視できない状況であることは明らかだ。

Alipay(市場シェア55.4%)と Tencent(市場シェア32.1%)を相手に、UnionPay は厳しい競争を強いられている。どうやら UnionPay は、何もしないよりは乗り遅れてでも市場に参入した方が得策である、と賭けに出たようだ。

モバイル決済が世に出る前から、特に大都市およびその他主要都市では QR コードは一般的に利用されていた。Alibaba 傘下 Kuadi(快的打車)と Tencent 傘下 Didi(滴滴打車)の間でライドシェア業界への補助金をめぐる獲得競争が起こり、その結果、モバイル決済業界に数百万人のユーザが流れ込んだ。その後、ユーザに QR コード決済を広めるのは簡単だった。つまり、UnionPay はその点について考慮する必要はないわけだ。

しかし、まだ多くの課題が残っている。Alipay と WeChat Wallet が相当に浸透しているため、ユーザの習慣を変えて彼らを他のサービスへと振り向かせることは困難だ、ということを証明してしまう状況になりかねない。それ以外にも、マーケティングコストの削減、実店舗を構える小さな小売業者向けの銀行カード決済サービスの立ち上げなど、大きな課題がある。

これだけの課題はあるものの、最近の UnionPa yの動きは、旧態依然とした金融機関から金融テクノロジー(フィンテック)ソリューションへの明らかな方向転換だと言える。今年7月、UnionPay に加盟している中国工商銀行は、QR コード決済システムの導入を発表した。中国建設銀行、招商銀行、中信銀行、中国民生銀行、上海浦東発展銀行などを含むいくつかの他の加盟機関も後に続き、同様のモバイル決済システムを今年導入している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】