
慢性疾患に苦しむ人々と専門家をつなぐオンラインヘルスプラットフォーム Vida Health が、Canvas Ventures がリードしたシリーズ B ラウンドで1,800万米ドルを調達した。このラウンドには Nokia Growth Partners(NGP)や Aspect Ventures も参加した。
2014年に設立された Vida Health は、糖尿病やうつ病、不安神経症、高血圧を抱える患者に対してそれぞれをサポートしてくれる専門家とマッチングすることを目的としている。専門家とはパーソナルトレーナーや栄養士、看護師、セラピストなどだ。さらに、より健康的な生活を目指す人のための「ウェルネスコーチング」全般も取り扱っており、2年前のサービス開始以来、利用者数は3万人を超えるという。
ネイティブモバイルアプリとしても充実する Vida Health だが、Fitbit や MyFitnessPal、Apple Health などの人気ヘルス・フィットネストラッカーとも統合し、ユーザのバイタルデータに直接アクセスしてコーチングしてくれる。これにより、ユーザ個人に合ったプランを作成し、またデータに基づいたプログラムを適用してテキストや音声、ビデオチャットによってリアルタイムのアドバイスを送ることができる。

同社は2014年にもシリーズ A ラウンドで500万米ドルを調達しており、今回獲得した資金によって「さらに多くの慢性疾患患者や健康状態を改善したいと願う消費者にサービスを提供する」プラットフォームへと成長できると声明で発表している。
Vida の共同設立者で CEO の Stephanie Tilenius 氏は次のように述べている。
2年前のローンチ以後、Vida のプラットフォームを利用して健康状態が劇的に好転し、さらに糖尿病や高血圧が改善したという人々を男女問わず数多く目にしてきました。Vida は多くの人の生活に変化をもたらしているのです。アメリカ国民の半分が悩んでいる慢性疾患を予防、管理、改善し、またヘルスケアに関わる国の負担を減らすといった将来性は非常に大きいと思います。
さまざまな数値に軽く目を通すだけでも、Vida が参入しようとしているマーケットの規模がわかる。アメリカにいる成人のうち40%近くが肥満であるとされており、太り気味の人は70%を超える。人口の約10%(2,910万人)が糖尿病であり、およそ3分の1(8,600万人)がその予備軍だと言われている。Centers for Disease Control and Prevention(疾病対策予防センター、CDC)によると、アメリカ国内の生活習慣病ケアに関する支出は毎年2.5兆米ドルに上るという。
Vida は個人の消費者向けサービスだが、社員の健康状態を改善してヘルスケアにかかるコストを削減したいと考える企業に対してもサービスを提供している。顧客には Steelcase、eBay、FICO などが名を連ねる。同社はデジタルヘルスプラットフォームのマーケットが成長していることを示している。今年8月 Accolade は、「コストが高く、複雑で統一性のない」ヘルスケアの世界を従業員にガイドするプラットフォームで雇用主のヘルスケアコスト削減をサポートするべく9,360万米ドルの資金調達ラウンドを実施した。こういった需要は健康改善にとどまらない。先月、従業員とプロの健康開発コーチをつなぐプラットフォーム BetterUp は1,290万米ドルを、また健康指導を求める人と指導者をつなぐ Everwise は1,600万米ドルを調達している。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待