公式発表から数ヶ月を経て、WeChat Mini Apps(微信小程序)がついにローンチされた。
Tencent(騰訊)のシニアバイスプレジデントで「WeChat(微信)生みの親」でもある Zhang Xialong(張小龍)氏は11月18日、WeChat の Mini Apps で埋め尽くされたホームスクリーンの写真を Moments(朋友圏)に投稿した。これは、アプリが WeChat 内だけでなくホームスクリーン上に配置できるようになったことを意味する(Android フォンのみ利用可能)。
2016年初め、Zhang Xiaolong 氏は「WeChat 内のアプリの中のアプリ」というアイデアを次のように紹介した。
このアプリはインストール不要のアプリです。 つまり、検索や QR コードのスキャンで開けます。こうすることで使い捨てのアプリが起動します。
そして9月22日、Tencent は Mini Apps の非公開ベータ版の招待状を公式に200件配信し、Dianping(大衆点評)、Miaoyan Movie、Hainan Airlines(海南航空)などのライフスタイル系企業がこのテストに参加した。
WeChat の Mini Apps は他のアプリストア同様、Tencent もしくは公認の第三者機関により厳格な審査がなされる。Mini App ストアにある全てのアプリはセキュリティ・安全基準を満たす必要があると WeChat は公言している。
WeChat がすでに大量のユーザベースを獲得していることを考えると、ユーザを惹きつけるのに特に問題はないだろう。ユーザにとってのメリットも明らかだ。 Mini Apps を全てダウンロードする必要はないのでスペースを節約できる。それに機種変更をしても再ダウンロードが不要だ。
サービスプロバイダーにとっても巨額の資金をアプリ開発に投じなくて済む。Mini App の構築や市場実行可能性テストも簡単にできる。さらに、WeChat の Mini Apps はそれ自体がクロスプラットフォームでもある。WeChat 内だけに存在するので、異なる機種モデルに付随する互換性の問題を完全になくすことができるのだ。
長期的にみて、Mini Apps は Tmall(天猫)などアグリゲーションプラットフォームの脅威になるのではという見方もある。ブランド企業や小売店はユーザが商品を WeChat 内で直接、閲覧・購入できるよう自社の Mini Apps を作るだけでよくなったのだ。
Facebook もそうだが、WeChat は単なるソーシャルメディアを超えた存在に急速になろうとしている。今 Mini Apps を備えたことで、同社に対する中国での関心は高まるばかりだろう。
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