ウエアラブルのブレインマシンインタフェースで、中国の教育改善を目指すBrainCo

SHARE:
Image credit: BrainCo

中国における教育はバーチャルなレベルに及んでいる。仮想現実(VR)や人工知能(AI)などテクノロジーの進化を活用して、教育の品質やアクセシビリティを向上させようとしている。

中国は、伝統的な gaokao(高考、ガオカオ、いわゆる大学入学試験)という悪名高い制度があることで知られており、有名大学への進学を目指す生徒は、何年もかけて実用的でない知識を大量に詰め込まなくてはならなかった。しかし近年、大学卒業後の人生に備えられるような教育改革に対する需要が高まっている。

多くの教育系テクノロジーがオンラインコンテンツの生産に注力しているところ、米国ボストンで生まれたこの企業は違った角度から教育改革に取り組んでいる。

2015年に設立され、ハーバードイノベーションラボ(Harvard Innovation Lab)でインキュベートされた BrainCo は、脳波フィードバックのトレーニングで中国の教育改善を狙っている。同社はBMI(ブレインマシンインタフェース)ウエアラブルのパイオニア的企業で、多くの投資家やピッチコンペから550万米ドルを獲得している。

設立者の Han Bicheng(韓璧丞)氏は、伝統的な教室形式の教育の型を打ち壊し、教育の未来を向上させるために最新テクノロジーを学校が利用する手助けをしたいと考えている。MR(複合現実)と AR(拡張現実)の統合など、中国では教育テクノロジーに対する投資が徐々にされているところ、BrainCo は、生徒の学業成績を向上させるために違った角度からのアプローチを採用している。

Han 氏は次のように述べている。

伝統的な教室形式の教育では、生徒がどれくらい教材を理解しているかを教師が把握するのは大変です。また、授業への関わりに際し、どの教育方法が一番効果的かを知るのも困難でした。さらに、授業で関わりを感じられない成績の悪い生徒は不満を感じていたのです。

BrainCo の「Focus EDU」が役立つのはそのようなシチュエーションである。この製品は、生徒の学習体験や成績を分析する手助けをしてくれる。成績を良く理解するために個人仕様の分析結果がデータで示されるのだ。その他にも、生徒の授業への関わりの程度を数値にした情報を学校や地区全体に提供することもできる。Focus EDU を活用すれば、個々の生徒の強みと弱みを特定することで、授業への関わり度を最大限引き上げることができるとHan氏は考えている。

Brainco は現在、ハーバード大学教育大学院(Harvard Graduate School of Education)と連携して、米国教育市場への進出に向けた戦略固めをしている。また、春には ADHD(多動性障害)を持つ子どもたちに対する国内初の治験も予定している。

同社は中国のニッチ市場に自社をポジショニングしているスマートな企業だ。中流階級が増加し教育改革への需要が高まる中、中国での投資に関しては教育テクノロジーはまだ巨大な成長余地がある。しかしながら、脳波フィードバックのトレーニング、注意レベルのアルゴリズムのほか最も進化したリアルタイム電気信号(EEG)検知テクノロジーを組み合わせたメンタルヘルスウェアラブルに特化した企業は、同社を除くとほとんど例がない。

北京大学精神衛生研究所(Mental Health Research Institute of Peking University)によると、中国で ADHD に苦しんでいる子どもの数は1,500万~1,900万人だという。Han 氏が目指すのは、こうした生徒たちに脳波フィードバックトレーニングを提供し、注意持続期間と成績を向上させることだ。

しかしながら、Han 氏も認めているように、中国の教育市場進出に際しては文化的な障壁がある。

中国の保護者は、読み書きや算数といった昔ながらの教育課題という形をとる脳波フィードバックトレーニングなら受け入れてくれる傾向があります。これに対し米国の保護者は、脳波フィードバックトレーニングの手段として動画ゲームの活用に寛容です。

教育訓練においてこうした違いがあるため、米国と中国で異なる文化向けのコンテンツを制作しなくてはいけないところが同社にとっての課題である。

BrainCo が世界でも最高レベルの脳波フィードバックのセラピストと協力して副作用の最も少ない訓練システムを開発できると Han 氏は確信している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】