旅を記録できるサービス「Compathy」のワンダーラスト、シリーズAラウンドでモバイル・インターネットキャピタルなどから1.3億円を調達

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ワンダーラストのチームメンバー。写真奥の中央右が代表取締役の堀江健太郎氏。
Image Credit: Wanderlust

旅を記録できるサービス「Compathy(コンパシー)」を展開するワンダーラストは25日、シリーズAラウンドで1億3,000万円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターはモバイル・インターネットキャピタルが務め、SMBC ベンチャーキャピタルが参加した。同社にとっては、2014年3月にインキュベイトファンドとリクルートストラテジックパートナーズから実施した、シードラウンドでの数千万円の調達以来となる。

ワンダーラストは Incubate Camp 5th から輩出され、2013年6月に会社設立。同年12月に旅を記録できるサービス「Compathy(コンパシー)」をローンチした。全旅行市場のうち、インターネットで旅を予約する人が46%、個人で旅行を手配する FIT(Foreign Independent Traveler)が30%を占める中で、旅を調べる → 旅を計画する → 旅を予約する の3つのプロセスのうち、Compathy は「旅を計画する」の部分に特化している。「旅を調べる」部分と「旅を予約する」部分は、すでに多くのプレーヤーがいるためだ。

Compathy の旅行計画画面(デスクトップ)

Compathy では、ユーザが旅の途中で撮影した写真を投稿すると、写真に付されたジオタグをもとに Foursquare API を通じてデータを取得し、訪問したスポットの情報と連携。位置情報や日付などのデータから写真を並べられる、旅のログブックの位置づけていた。この投稿件数(ワンダーラストでは、「口コミ数」または「レビュー数」と表現している)が昨年2月の段階で10万件を超えていたが、その後、一つのマイルストーンである20万件を突破したのを機に新機能の開発に着手した。新しい機能では、Compathy 上に投稿されたスポット情報(行きたい場所)をドラッグ&ドロップすると、そこまでの交通手段や移動手段が自動的に表示され、旅先で迷わずに自由に動き回れる環境を提供してくれる。

2016年1月末現在、Compathy の月間アクティブユーザ数は約150万人、旅の記録をまとめた旅ログの数が約4万冊、投稿件数は約50万件に達している。ユーザの約7割は女性なのだそうだ。

Compathy モバイルアプリでの旅行計画画面

さて、冒頭に書いたように「旅を計画する」に特化する Compathy だが、無料サービスであるため、それだけでは売上を上げることができない。そこで考えられるのは、「旅を予約する」サービスへの送客だ。Compathy では、このビジネスモデルの構築を念頭に、これまでの旅の SNS としての位置づけから、前述した新機能の追加を受けて、旅行計画のプラットフォームへとシフトを図る模様だ。

Booking.com や Skyscanner といった、予約サイトへの送客を視野に入れている。ただ、ある程度、多くのユーザを送客できないと有利な条件を引き出すことはできないので、当面はアフィエイトで収入を確保していく。(ワンダーラスト 代表取締役 堀江健太郎氏)

将来的には、ユーザが計画した旅の予定をもとに、フライトや宿泊先を提案するリバースオークションのようなしくみも可能になるだろう。堀江氏によれば、Compathy では、スポット情報をクリックした人のうち実に20%が旅行計画を作成し、そのうちの25%が旅の予約に至っているそうで、この高いコンバージョンレートこそ Compathy の強みだ。このあたりの今後のしくみづくりについては、リバースオークションのしくみが急速に進化を遂げている、中国の Qyer.com(究遊)などをベンチマークしていると、堀江氏は語った。

2020年東京五輪を前に、インバウンド流入も意識して、昨年からオウンドメディア「Compathy Magazine」を英語版でも始めたそうだ。Compathy 本サービスのグローバル展開も近いうちに期待できそうである。