
テック IPO が少なかった2016年を後に、2017年は世界的に IPO 市場を明るくするよい始まりを迎えつつある。Snapchat はバリュエーション250億ドルという新記録を成し遂げることが期待され、成長株スタートアップの多くの顔ぶれが後に続いている。
市場の見通しが高まるにつれ、中国のハイテク企業も投資家の心を取り戻しつつある。今年の中国からの IPO 候補者のリストをお届けする。
Ant Financial(螞蟻金融)
中国で最も人気のあるモバイル決済ツール Alipay(支付宝)など金融サービスのオペレータである Ant Financial(螞蟻金融)は、2014年9月の IPO を控えた Alibaba からスピンアウトし、2014年12月に設立された。
Ant Financial はeコマース巨人である Alibaba からの最も評価額の高かったスピンオフ企業で、同社は600億ドルのバリュエーションで、45億ドルの資金調達ラウンドを完了している。
Ant Financial は長年にわたり IPO する企業として噂されてきたが、同社はビジネス成長とユーザ獲得に注力しており、IPO には急いでいないようだ。しかし2017年、特に2017年後半が確実にそれが現実となるようだ。
IPO への準備にあたり、Ant Financial は昨年、トップ経営陣の顔ぶれを入れ替えている。同社は中国本土と香港の両方で IPO することになりそうだ。
Kuaishou(快手)
Kuaishou(快手)は中国国外のユーザにはあまり知られていないかもしれないが、30億ドルの売上を上げる動画や写真の編集共有アプリで、中国の中でも特に下級都市や地方で人気がある。中国の動画や写真共有のブームに火をつける存在だ。
このアプリは、中国市場の二大モバイルアプリである、Weibo(微博)や WeChat(微信)によるトラフィック消費の押し上げも手伝う形で、昨年初めから最初の盛り上がりを見せている。
現在、Kuaishou には4億人以上の登録ユーザがいるとされる。TechCrunch が引用した情報源によれば、Kuaishou は月間アクティブユーザ1億人に対し、1日のアクティブユーザが4,000万人とされる。TechCrunch によれば、Kauishou は今年後半にもアメリカでの上場を計画しているとのことだ。
同社は Sequoia Capital、DST、Baidu(百度)、DCM から支援を受けている。
China Reading(閲文集団)
China Reading(閲文集団)は、中国のインターネット巨大企業 Tencent(騰訊)から支援を受ける、中国最大のオンライン出版 e-book 企業だ。Tencent Literature(騰訊文学)と Shanda Cloudary(盛大文学)が2015年に合併して生まれた China Reading には、QQ Reader(QQ 閲読)や Qidian(起点)といった9つの電子読書プラットフォームを通じて、約6億人の登録ユーザがいるとされる。
ロイターは、同社が2017年に香港で IPO し、最大8億円を調達する計画だと伝えている。
Qudian(趣店)
Quadian(趣店)は2年前に設立されたばかりの小口融資プラットフォームで、学生向けローンサービス「Qufenqi(趣分期)」の運営で頭角を現した。Qufenqi を使えば、大学生やホワイトカラー労働者が、スマートフォンやラップトップなどの家電品を月々の割賦で購入することができる。
中国の地元メディア Caixin(財新)の報道によれば、Ant Financial が支援する Qudian は、5億ドル以上を調達べく今年第1四半期に中国国外での IPO を目指しているとされる。
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