
Image Credit: Jordan Novet/VentureBeat
Pinterest は本日(2月8日)、サンフランシスコ本社でメディアイベントを開き、新機能「Lens」のベータ版を発表した。Lens では、携帯端末のカメラで撮影した写真から、その写真のテーマに関連したテーマやピンを検索することができる。今後数週間にわたり、Android 版と iOS 版が米国でローンチされる。
Pinterest が Lens を導入したのは昨年のことだが、これまでは誰でも利用できるわけではなかった。Pinterest が Lens を導入した当初、そのコンセプトは、カメラで撮影した被写体が何であるか特定することだった。しかし、そこからエンジニアらが修正を重ねた結果、正確にマッチしたものやそれに近いものだけではなく、ここが重要なポイントなのだが、特定のオブジェクトが含まれるより広いシーンも検索結果に反映されるようになった。このような検索結果にすることで、被写体となったモノが現れる環境に関する背景情報を提供することができる。

Image Credit: Pinterest
かつて Pinterest が「ピンする(pin)」という言葉を使って機能を言い表したように、今回、Pinterest の共同設立者で CPO の Evan Sharp 氏は「レンズする(lens)」という動詞を使うことについて語った。たとえば、彼が赤い靴を見てすごく気に入ったとする。すると、彼は「あの靴をレンズして、あれと似た靴を探そう」と言うのだ。
このタイプの画像検索は、Google が Android の Now on Tap 機能で提供しているものや、Samsung が主力商品 Galaxy S8で提供しているものよりも優れている。なぜなら、Pinterest が示す検索結果には多様性があり、それぞれの画像から複数の特徴を抽出するからだ。自身のコンテンツコレクションによって、Pinterest が実装したこの機能は、ショッピングサイトが提供するもの(つまり、非常に構造化された商品検索結果)と、Facebook や Twitter などのソーシャルネットワーク(つまり、構造化に欠けるユーザ生成コンテンツ)との中間のようなものになった。
CamFind のように、モバイル端末のカメラからクエリを受けて画像検索を行うサービスを提供している小さな企業もあるが、そうした企業には大企業がすでに持っているようなコンテンツが欠けている。
ユーザインタフェースの点で言えば、Google 画像検索と Microsoft の Bing 画像検索は両者とも、Pinterest アプリで以前から使われているタブスタイルのカテゴリ検索を採用している。Lens 検索を行った際にポップアップされるテーマは、ユーザが入力したテキストに基づいており、コンピュータが予測によって生成したものではない。
また、Pinterest は「Instant Ideas」機能も導入する予定だ。この機能では、それぞれのピンの右下に円を設け、そこをタップするとディスプレイがさらに多くのピンで満たされる。
さらに、Pinterest は被写体検出機能をベースにした新機能「Shop the Look」も昨年リリースしている。ピンされた写真の人が複数のファッションアイテムを着用している場合、丸い印をタップして、そのアイテムが写っている別のピンを探すことができる。それに加えて、「How to Wear It」という新しい機能もある。Sharp 氏の言葉を借りれば、「人々はこれまでと違う方法で商品をスタイリングできるようになる」という。Shop the Look は、Android、iOS、Web でも利用可能だ。Shop the Look の特徴は、ピン上のアイテムをタップすると、リッチピンだけでなくお買い物ピンも表示されることだ。これにより、Pinterest が得られる収益は徐々に増加していくことが見込まれる。
視覚的発見というテーマは Pinterest にとっては特に新しいものではない(実際には、スタートアップが提供するものとしては最大かつ最高レベルのものかもしれないのだが)。Pinterest は、保有している視覚情報を利用する方法をどんどん編み出している。そして現在ピンの数は1,000億以上になっている。
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