「次なるBATを探せ」シリーズの第1弾。BAT とは中国のテック巨大企業をまとめて表現する言葉で、Baidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の頭文字をとったものだ。本シリーズでは、中国のIT業界をリードしていくであろう未来のテック巨大企業を調査していく。
中国のIT業界に関心のある人なら誰でも、BAT が何を意味するか知っているだろう。それは中国テック企業3強の Baidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の頭文字をとったものだ。ただ、いずれもかなり成熟した企業で、創業から年月も経っている。そこで、今こそBATの成功に続く新たな3社を見つけるときだ。
ここで新たな頭文字3文字を紹介したい。それはTMD、Toutiao(今日頭条、中国で使われる簡体字では「今日头条」)、Meituan–Dianping(新美大)、Didi Chuxing(滴滴出行)の3社だ。
Toutiao(今日頭条)
中国語でヘッドラインを意味する Toutiao は、中国で異常なほど人気を博しているニュースアグリゲーションアプリだ。Toutiao は国内で7億のユーザと6,800万のデイリーアクティブユーザを誇る。
Toutiao は単なるニュース閲覧サービスではなく、高度に洗練されたマシンラーニングテクノロジーを備えたキュレーションプラットフォームであることに留意してほしい。読者の嗜好や好みを蓄積したデータベースを活用してサービスを的確にカスタマイズし、クリック数を獲得している。
最近、Toutiao は米国で人気の動画アプリ Flipagram を買収した。同社は Flipagram の動画をレコメンデーションに統合する計画で、それにより Flipagram のサービス提供範囲も広がるという。
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Meituan–Dianping(新美大)
グループ購入eコマースプラットフォーム大手2社の Meituan(美団)と Dianping(大衆点評)は2015年10月に合併し、Meituan-Dianping(美団-大衆点評 → 新美大)という会社となった。
この合併により、同社の総流通総額(インターネットで販売された商品の金額)は昨年1,700億人民元(258億4,000万米ドル)になったという。今では1億5,000万の月間アクティブユーザが日々1,000万件ほどの注文をしているという。
ちょうど先月、Meituan-Dianping は自社のオンライン金融サービスをローンチすると発表した。これは Alibaba と Tencent に続く動きだ。
Didi Chuxing(滴滴出行)
中国本土での2年に及ぶ熾烈な争いの末、Uber は中国事業を Didi Chuxing に売却し、代わりに Uber は Didi の20%の株式を保有することになった。
この Didi による取引案件は、世界的なインターネット・テクノロジー企業が、非情な中国市場に参入するのがいかに困難かを示した最近の事例だ。この国では政府からの支援も受けつつ、現地の起業家が手強い会社を作り上げている。
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