ウィキペディアがイギリスの人気サイト「Daily Mail」を情報源に引用することを全面禁止

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大統領選を機に”fake news”(偽りのニュース) というキーワードが頻繁に聞かれるようになった。今では、一種のバズワードのようになり、情報の信憑性云々より「自分が賛同しない、気に入らない情報」をなんでも指すような形で使われ、議論を醸している。

こうした動きを受けて、FacebookのようなSNSや各種メディアは、偽りの情報をどう探知し、排除するのか、その広がりをどうとどめるのかといったことに真剣に取り組むようになってきた。

人々の生活や情報収集にあまりにも浸透してしまい、単体のサイトとして話題になることは少ないが、オンライン百科事典のウィキペディアもこうした動きに無縁ではないようだ。

イギリスで人気の新聞「Daily Mail」は、英語で発信されるニュースサイトとして世界で一番読まれているという。しかし、それはジャーナリズムへの姿勢や方針が買われてのことではない。大げさに書く程度ならまだ良く、完全に虚偽の報道も珍しくないことで知られている。

こうした理由から、ウィキペディアの編集者群が、コンテンツのコントリビューターによるDaily Mailの引用を禁止した。Daily Mailは貧相なファクトチェック、またニュースを偽造する信頼性が欠けるサイトであり、超特殊な状況を除いては情報源として使用するべきではない、と。

引用元としてDaily Mailの記事がリンクされている過去記事についてもそれをすべて取り除き、可能な場合は、新たな情報源に置き換えられるという。

今回のウィキペディアの決断に反対する声もあるだろうが、今回の出来事が起きた理由はひとつしかない。それは、Daily Mailがメディアとして酷すぎるということに尽きる。それを禁じることは、ウィキペディアが「信頼性」を重んじるサイトであることの証だろう。

 

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