メガネ小売店向けにバーチャル試着ミラーを開発する、中国のコンピュータービジョン・スタートアップTopplus(通甲優博)

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Image credit: Topplus(通甲優博)

e コマースが有無を言わさぬ成長を見せる中、あらゆるものがオンラインで購入できるようになっている。メガネもそうだ。しかし、オンラインショッピングが盛んな中国において、2015年のメガネのオンライン売上額はわずか60億人民元(約983億8,200万円)にとどまっている。この数字は中国国内の年間取引総額670億人民元(約1兆985億9,000万円)のわずか9%ほどだ。

オンライン小売店は実店舗と比較すると、豊富な品揃えと低価格を提供できるが、同時にそのウィークポイントも明らかだ。メガネのオンライン売上が拡大しない理由は、顧客が実際にメガネを手に取り、感触を確かめる試着体験がないことだ。

成都に拠点を置くコンピュータービジョン関連スタートアップの Topplus(通甲優博)はこの問題の解決を目指している。同社のソフトウェア開発キット(SDK)「TopGlasses」を使うと、売り手側が自社の e コマースプラットフォームやモバイルアプリに試着体験を追加することができる。

TopGlasses のダイナミック SDK を利用すると、カメラがユーザのリアルアイムの顔画像を収集し、そこにバーチャルなメガネを合わせてくれる。ユーザは好きなように顔のポーズを作り、表示結果をあらゆる角度から見ることができるのだ。

近眼でメガネなしではリアルタイム画像がはっきり見えない、というユーザは TopGlasses の録画SDKを利用すればよい。ユーザが頭部を右と左に水平に動かし、それをスキャンすれば SDK がわずか数秒でユーザの顔の実在的モデルを作成してくれる。

Image credit: Topplus(通甲優博)

Topplus の製品は主としてユーザがメガネを試着できるか、という問題を解消するものだが、同社 COO のWang Yang(汪洋)氏は自分たちがオンラインメガネ販売の最も重要な側面を開拓していると確信している。

新規のユーザを獲得するには事業を運営していく上でコストがかかります。それに比べて既存客がリピーターになってくれた方がより長期間、持続可能なキャッシュフローを維持できます。

すでに自分の視力や好きなメガネのブランド、価格、購入後のアフターサービスを把握している人にとっては、フレームが自分に似合うかどうかということだけがオンライン購買行動の決定要素となるのです。

Wang氏はTopplusのビジネスモデルを描くのに、中国通信機器メーカー Huawei(華為)のコンセプトを取り入れている。

当社はクライアントの問題解消のために顧客中心のアプローチを採用していますので、このような機能を提供できる限り、具現化にあたってはかなり柔軟に対応できます。

現在、Topplus のバーチャル試着サービスには二つのマネタイズモデルがある。3Dフレームを開発、構築できるクライアントにはライセンス料を課し、アプリの開発までは考えていないメガネメーカーやブランドに対しては、Topplus が彼らのテクノロジーを利用したアプリをクライアント用にカスタマイズしている。

2015年2月に同社を立ち上げた設立者で CEO の Xu Yidan(徐一丹)氏には、コンピュータービジョン、AR(拡張現実)、写真測量法に関して10年以上に及ぶ経験がある。コアチームのメンバーは主に Intel や Huawei、Lenovo(連想)といった世界のトップ企業に勤めていた面々だ。

同社にとってこのバーチャル試着 SDK は出発点にすぎない。同社の追跡及び画像安定化システムの TopUav は、中国のホバリングドローン開発企業 Dobby に利用されている。

Wang 氏によると、ロボットやセキュリティ、スマートシティなどコンピュータービジョンが適用可能な多くのマーケットが数年で激変するという。さらに、バーチャル試着は彼らのテクノロジーにとって小規模な応用シナリオの1つにすぎないとしている。

技術的なリスクは別として、スタートアップの前に立ちはだかる大きな壁がマーケットのリスクです。

このリスクを低減するため、Topplus は今年2月、同社の顔認証 SDK「VOOME」をローンチした。この SDK は、企業と個人が無料で顔検出、追跡、顔によるランドマークロケーション、顔推定に利用できるものだ。

Image credit: Topplus(通甲優博)

VOOME は根拠のある一連のデータを提供します。この価値あるデータを公開することで、私たちはより多くの人を新技術のアプリの可能性を模索する活動に取り込むことができるのです。(Wang 氏)

設立して2年の同社はエンジェルラウンドや非公開のプレ A ラウンドで資金を調達している。まずクライアントとして中国のメガネ e コマースマーケットプレイス大手 Kede.com(可得眼鏡)やデザイナーメガネブランドの Tapole を獲得した彼らは、現在のところ中国のマーケットに注力している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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