中国の検索大手 Baidu(百度)は今年、人工知能への投資に力を入れている。Raven Tech(渡鴉科技) などの企業を買収し、また、同社の Institute for Deep Learning からのスピンオフプロジェクトとして新たな AR 研究チームを設立した。 同社は現在、電子機器製造業など中国の伝統産業大手と提携する上で、同社の「PaddlePaddle」(PArallel Distr…
PaddlePaddle を生み出した Baidu(百度)のシリコンバレー AI ラボ Photo credit: Baidu(百度)
同社は現在、電子機器製造業など中国の伝統産業大手と提携する上で、同社の「PaddlePaddle」(PArallel Distributed Deep LEarning)と呼ばれるディープラーニングフレームワークを活用したいと考えている。
PaddlePaddle の技術責任者である Wang Yi(王益)氏は、Tech in Asia に対してこう語った。
特に中国では、このような企業には AI 技術が必要とされています。テレビ売り場を見てください。古参の Changhong(長虹)も新参の Leshi(楽視)も、売っているテレビは全てリモコンがないのです。代わりに音声認識を使っています。
AI の分野では Google や Amazon のような欧米の企業が脚光を浴びているが、中国の影響力も日増しに高まっている。中国では現在、アメリカより多くの AI 研究が行われている。中国の研究者はその存在感を増してきており、Association of the Advancement of Artificial Intelligence が今年ニューオーリンズで開催した集会は、中国の旧正月と重なったことを理由に日程変更されたほどだ。
中国は強力な国産 AI を求めており、PaddlePaddle がこれに貢献する可能性がある。中国では政府によって Google のサービスが遮断されている。また、言語障壁があるため欧米の AI フレームワークは浸透しにくい。これらの点は PaddlePaddle に有利に働く。
こうしたことから、PaddlePaddle は、ニューラルネットワークの構築と機械学習を手がける中国の開発者にはうってつけだ。ニューラルネットワークは AI を実現するアプローチの一種で、例えばネコの画像を認識し、中国語の会話を文字起こしするなど、様々な能力を学習することができる。
香港科技大学の博士課程で機械学習を専攻する Weiyan Wang 氏は、Tech in Asia に e メールでコメントを寄せた。同氏は PaddlePaddle を利用しており、データマイニングと AI の専門家である Qiang Yang(楊強)教授と共に働いている。Qiang 教授は WeChat(微信)を運営している中国テック大手企業 Tencent(騰訊)と定期的に協業している。
英語を話す人がこのコミュニティに参加した場合は不便を感じるでしょうが、ここでは誰もが英語を話せるわけではないので、全員に英語を強制することは難しいです。開発者とのコミュニケーションに支障が出るような場合は、我々 PaddlePaddle 側も中国語を使うことがあるかもしれません。(Wang Yi 氏)
資産管理アプリ・会計クラウドサービスを提供するマネーツリーは21日、直近のラウンドで総額10億円を調達したことを発表した。このラウンドのリードインベスターは SBI インベストメントで、みずほキャピタル、SMBC ベンチャーキャピタル、セールスフォースベンチャーズ、ふくおかテクノロジーパートナーズ、広島ベンチャーキャピタル、池田泉州キャピタル、イギリスの大手運用会社 Baillie Gifford が参加した。今回の調達は、2015年10月に実施したシリーズ A ラウンドでの調達に続くものとなる。
今回の資金調達を受けて、マネーツリーでは、個人資産管理アプリ 「Moneytree」、経費精算の簡略化を支援する「Moneytree Work 経費精算」、経費精算機能に加えモバイルでも法人口座閲覧が行える「Moneytree Work 法人口座」に新たな機能搭載も今後実施していく予定。
また、サービス公開から2年を迎えた、金融機関と法人・個人をつなぐ、クラウドベースのアカウント管理サービス「MT LINK」は、メガバンク・地銀・会計ソフトウェア業界など20社で採用されている。今回の調達とあわせて、マネーツリーは MT LINK のウェブサイトもリニューアルしており、さらなる事業拡大や事業加速を目指すとしている。