受付した回数は5カ月で1万回突破ーー受付をクラウド化する「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」新プランを発表

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オフィスの受付をクラウド化するRECEPTIONIST(レセプショニスト)を提供するディライテッドは3月22日、エンタープライズ版の提供を開始すると発表している。また同社は昨年10月のクローズドβから約5カ月で導入企業が受付をした回数が1万回を突破したことも併せて公表している。

RECEPTIONISTは訪問客の受付を直接担当者のチャットツールにて対応することのできるサービス。iPadアプリで提供されており、利用可能なチャットツールはSlackとチャットワークになっている。訪問客の情報はウェブの管理画面から履歴を確認することができる。利用できる社員数によって料金が変動し、10人までの登録であれば無料で使うことができる。

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今回提供開始となったエンタープライズ向けのプランでは社員ごとに通知先のグループチャットやChannelの個別指定ができるほか、入館証のシール印刷や入館規約への同意などのセキュリティ対応が追加される。なお、シール印刷と入館規約への同意機能については近日中の提供開始となる。また、通常のスタンダードプランについてもGoogleカレンダーとの連携機能が付加されている。

料金はスタンダードプランで50人が登録する毎に月額5000円、エンタープライズ版も50人が追加される毎に月額1万円が課金される。リリースにある導入企業の声として、エンジニア中心のフロアで電話音が鳴らないことに対するメリットや、受付の連絡が直接担当社員に伝わることによる業務効率化などの反応があるという。

受付のクラウド化で何が変わるのか

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ディライテッド代表取締役の橋本真里子さん

「多くの企業が内線電話一本で受付対応しているんですよね。でもこれだといつ、誰宛に、どういう人が訪問しているのか分からない。受付というのは企業にとっての最前線で、こういう情報は資産になると考えています。また、受付を兼務している人の取次の時間や、お客さんの待ち時間といった無駄を解消することにも繋がるんです」。

ディライテッド代表取締役の橋本真里子さんにサービスの説明を聞いた時、確かに便利だろうなと思う反面、1日の訪問客が多数やってくるような大企業であれば受付はシステムが完備されているし、そうでない数百人規模の企業であれば内線でも別に困らないのでは、という考えが頭をよぎっていた。

つまり、わざわざコストを追加してまで受付業務を効率化する必要があるのか?ということだ。実際、受付を通さずに担当者のメッセンジャーなどに直接連絡を取ることは多い。それと何が違うのか。

ポイントはやはりビッグデータにあるという。

訪問客のログが残れば、各担当が対外的にどのような動き方をしているのか、そもそも来客のある、なしなどが詳細に把握できるようになる。もちろん入力は訪問客がしてくれるのでこういった業務データは自動的に蓄積される。

例えばこれをセールスフォースや各種人材評価管理などの外部サービスと組み合わせることで、従業員やチームのパフォーマンスを図るひとつの指標ができるかもしれない。橋本さんによると、まだ外部との連携などについてはこれからという話ではあったが、そういう方向性は考えているということだった。

つまり、受付という機能を使った行動管理業務に近い考え方と思った方がいいかもしれない。

さらに今、社会は新しい働き方に代表される、場所や時間にとらわれない、新たな働き方を求める時代に入っている。会社に備え付けられた受付システムではこういった「オンライン上」のリソースの行動を一体化してみることが難しい。しかし、受付そのものがクラウドに上がっていればどうだろうか。

企業にとって大切な人材がどのように動いているのか、全てを可視化することはもちろん窮屈なので勘弁してほしいが、こういった事業に関わるタッチポイントについてはしっかりとログに残してもらえると企業と社員の間で誤解が生じにくくなる。

現在は内線の受付業務をリプレイスするというよりは、内線電話と併用している使い方が多い(というかそういう利用方法を推奨している)というRECEPTIONIST。「受付のログ」が新たな宝の山となるのかどうか、今回発表された1万回の受付データの推移が気になるところだ。

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