<2017年5月1日更新>
- WeChat が Tencent ではなく、Alibaba のプロダクトとなっていた点を訂正し、前後の文章を修正。
- Emtek Group が Bukalapak の親会社となっていた点を訂正。
Dealstreet Asia の報道によると、中国のインターネット大手 Alibaba(阿里巴巴)が、インドネシアのメディア・テクノロジー企業である Emtek Group とジョイントベンチャーを設立すべく協議しているとされている。
報道では今回の進展に詳しい匿名の3人の話を引用し、形成される関係によって Alibaba がインドネシアの E コマースプラットフォーム「Bukalapak」に出資するためのドアを開けるものになるだろうと伝えている。Emtek Group は Bukalapak の多くの株式を保有している。
この提携関係と出資の可能性が生まれることは、Alibaba にとって、昨年の Lazada 出資に引き続き、東南アジア市場、とりわけインドネシアに参入を図る上で次のステージになると見られている。
フィンテック、なかでもキャッシュレス決済は、両社のとっての懸案事項になるだろう。
Emtek Group の子会社である PT Kreatif Media Karya(KMK)は、インドネシアで複数のメディアプラットフォームを保有し、さらに、インドネシア市場で今も最も人気のあるメッセンジャープラットフォームの一つである、Blackberry Messenger アプリ(BBM)を開発するライセンスを保有している。
KMK は BBM を開発する上で、ソーシャルメディアから e コマースまで、あらゆる需要にメッセンジャープラットフォームを使ってもらうという、Tencent(騰訊)の WeChat(微信)のモデルを活用してきたが、この流れは LINE や Facebook メッセンジャーなどのメッセージングプラットフォームにも追随されてきた。
Bukalapak のサービスは、ユーザがメッセンジャーアプリ上で買い物ができるコマース機能「BBM Shopping」で既に利用できるようになっている。
このプラットフォームに Lazada を連携すればキャッシュレス決済が可能となり、KMK は BBM の機能をより完全なものにしやすくなるだろう。
2016年10月、Emtek Group はインドネシアのモバイル決済スタートアップ Doku を買収すると噂されていた。Doku は今回の報道について、コメントを避けた。
より多くのインドネシアスタートアップが、同国でキャッシュレス決済を可能にする機能やサービスを立ち上げ、フィンテックへと参入を始めている。インドネシアでは今でもなお、オンラインショッピングでさえ、現金や ATM 送金に大きく依存している。
Grab はインドネシアの7億ドルのマスタープラン「Grab4Indonesia」にフィナンシャル・インクルージョン(金融包摂)を含めており、Go-Jek はタクシー会社の Blue Bird Group がタクシー料金支払に Go-Pay を使えるようにするなど、Go-Pay のプロモーションに余念が無い。一方、Tokopedia も同社のプラットフォームでさらなるフィンテックサービスを計画している。
e27 では現在、関係各社にコメントを求めている。
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