2月の発表の通り、福岡市の中心市街地・天神のほど近く、旧大名小学校跡地に官民協業型スタートアップ支援施設「Fukuoka growth next」が4月12日にオープンした。福岡市、福岡地所、さくらインターネット、アパマンショップホールディングス(東証:8889)の4社共同プロジェクトで、1階フロアにはこれまで天神のTSUTAYA内にあったStartup Cafeの機能も移転される。
情報開示も兼ねてお伝えすると、私たちTHE BRIDGEも同じフロア内にあるawabarと併設する形で入居し、東京で開催中のオープンイノベーションプログラム「Lab.」の配信や、福岡スタートアップの取材などを実施する予定だ。(ちなみにお昼はTHE BRIDGE、夜はawabarとなる)
2階と3階には小学校の教室をスタートアップが入居できるスペースに改装した「チームルーム」とシェアオフィス、会議室などが用意され、約100を超える企業や団体が入居する予定となっている。
福岡はスタートアップ2.0のステージへ
「今日から福岡のスタートアップシーンは次のステージに向かう。様々な機能を持ったスペースにコワーキングスペース、カフェ、雇用相談センター、DIY、そして夜にはAwabar。ここには『化学反応』を起こす仕組みが詰まっている」(福岡市長の高島宗一郎氏)。
福岡市がスタートアップ支援の取り組みを始めたのは今から約4年半前、福岡の若手起業家たちが有志で立ち上げたイベント「明星和楽」の壇上で発表された「スタートアップ都市・ふくおか」宣言に遡る。
政策の柱のひとつとしてスタートアップ誘致・支援を打ち出した福岡市の取り組みは注目を集め、IT関連企業の経営陣を集める招待制カンファレンスの誘致やスタートアップカフェの創設、首都圏との人材・情報の流通を活発にした。
結果として福岡市は2014年にグローバル創業・雇用創出国家戦略特区指定を受けることになり、首都圏IT企業の福岡進出や外国人創業者への支援プログラム「スタートアップビザ」や台湾スタートアップとの相互連携などの成果に繋がっていった。
「同じ屋根の下にチャレンジしている人たちが混じり合う。世界中からやってきた人たちが化学反応を起こす。チャレンジが尊敬される、そんな文化を福岡から発信し、日本からグローバルにスケールできる環境に向けて一歩を踏み出したい」(高島市長)。
growth nextはこれまでの福岡市の活動をさらに次に進めるためのものだ。スタートアップ・エコシステムには起業家や投資家だけでなく、技術者や専門家、最近のInternet of Thingsにみられるハードウェア開発においては、製造や在庫流通といったまた一味違うノウハウも必要になる。
ここを「HUB」として様々な要素を繋ぎ、福岡の地から本格的な成長企業を生み出したいと熱意をにじませる高島市長。関係者に聞いたところ、旧大名小学校跡地でこのプロジェクトが実施されるのはこれから1年半ほどの期間なのだそうだ。
これまで5年近くかけて福岡の地で育んだ、地域でのスタートアップ育成・支援のエコシステムがどのように発展するのか。そして今回入居しているGMOペパボ(東証:3633)などのように、福岡の地から大きく羽ばたいたインターネット系企業に続く力がいつ生まれるのか。
引き続きこの地の取り組みをお伝えしたい。
写真随時追加
Members
BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。無料で登録する
3 Comments
Comments are closed.