
Image Credit: OYO Rooms
インドの格安ホテル予約アグリゲータ大手の OYO Rooms は、既存投資家ソフトバンクによる2億5,000万米ドルの資金調達をまもなく終え、投資後の時価総額は8億5,000万米ドルになると、情報筋の話とともに The Economic Times が報じた。
今回の資金は、新たに設立された1,000億米ドル規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」から提供される。その結果、日本のインターネット巨大企業であるソフトバンクの OYO に対する持分は、現在の27%から42%に上昇する。
他の既存投資家が何社このラウンドに参加しているかは不明。設立者兼 CEO の Ritesh Agarwal 氏に e メールで質問したものの、本記事投稿時点で回答は得られなかった。
The Economic Times によると、東京を拠点とするソフトバンクは今回のラウンドに5億米ドルもの金額を注入しようとしたが、OYO の当初からの既存投資家に反対されたという。その投資が行われればソフトバンクの持分が過半数を超えてしまい、他の投資家の持分が減ってしまうからだ。
OYO は、大学を中退しオタクでもある Agarwal 氏により2014年に設立された。彼は17才にして起業に身を投じた。それ以前には、短期滞在型宿泊サービスポータルの Oravel Stays を VentureNursery、DSG Consumer Partners、Lightspeed からの投資を受けて設立した。2014年中頃、Oravel は想定したスケールがかなわず経営破綻した。それで Agarwal 氏は OYO を立ち上げたのだ。
昨年の時点で、OYO はインドのデリー、グルガーオン、ムンバイ、バンガロール、ハイデラバード、ゴア、チェンナイ、コルカタなど170を超える都市でサービス展開している。これには大都市のほか、地方中核都市、有名なレジャースポット、さらには巡礼地なども含まれる。昨年1月にはマレーシアに進出、その数か月後、小規模ライバルの Zo Rooms を買収した。

Image Credit: OYO Rooms
昨年 OYO Rooms は5回目のラウンドでソフトバンクと非公開の国際的な政府系ファンドから1億米ドルを調達した。それには既存投資家の Sequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Greenoaks Capital、DSG Consumer Partners、Venture Nursery も参加している。その1年前にはソフトバンクが同社に対し、同額の投資を行っていた。
さかのぼること2015年5月、同社は Greenoaks Capital Partners の主導で2,400万米ドルを調達している。さらに2014年5月にも DSG Consumer PartnersとLightspeed から65万米ドルを獲得している。
昨年、シリアルアントレプレナーでインドスタートアップの専門家でもある Sumanth Raghavendra 氏は、OYO についての冷ややかな記事を寄稿した。そこで彼は、OYO が出資金詐欺と同類だとコメントしている。それによると、OYO は実績を誇張しており、出資金詐欺の隘路にはまる道を歩み始めたという。
記事の後半部分で同氏は、2016年初めに発表されたソフトバンクによる同スタートアップへの投資が実際には実施されていなかったという重大な主張も展開していた。その数日後、Agarwal 氏は社員向けの社内メールで Raghavendra 氏に反論し、当社を出資金詐欺と呼ぶのは2,200人の従業員に対する侮辱以外の何ものでもないとした。
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