Q&Aプラットフォーム「Quora」が8,500万ドルを調達、IPOに向けて国際展開を加速

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上:Quora のオフィス
Image Credit: Quora

<ピックアップ>Quora raises $85 million to expand internationally and develop its ads business

シリコンバレー発のQ&Aプラットフォーム Quora は、「密かな注目株」である。Quora のアダム・ダンジェロ CEO は、VentureBeat の取材で先日新たに8500万ドルを調達したことを発表した。Y Combinator の投資ファンドである Y Combinator Continuity と Collaborative Fund が調達ラウンドを主導している。3年前の8,000万ドルの調達ラウンド以来の資金調達だ。

Quora は2009年にカリフォルニアのマウンテンビューで創業。ダンジェロ CEO は、Facebook のマーク・ザッカーバーグ氏とは高校時代の同級生で、かつて Facebook の CTO を務めたこともある。2008年にFacbeookを離れて以来、「インターネットにまだ存在しない知識をネット上に集めること」が彼のミッションとなり、Quora が立ち上がった。

ダンジェロ氏が VentureBeat に語った内容によれば、現在毎月のユニークユーザー数は1億9,000万とのこと。1年前から約二倍に伸ばしている。

今後の計画は、より多言語化を進めるようだ。昨年8月にはスペイン語版が、数週間前にはフランス語版(招待制)が追加されたが、今年中には新たにイタリア語とドイツ語を追加する予定である。

上:Quora のコーファウンダー・CEO のアダム・ダンジェロ氏
Image Credit: Quora

Quora のサービスはよくWikipediaと比較されることがあるが、「Quora は事実に基づいた情報というよりも、人々のオピニオンや分析に関するプラットフォームです」とダンジェロ氏が指摘するように、Wikipedia を直接的な競合とはみなしていないようだ。むしろ、月間ユーザー数が3億の Yahoo Answer Now の方が競合といえるかもしれない。

それでは、Quora はどこで他社と差別化するのかが気になるところだが、プラットフォームとコンテンツの質が鍵となるかもしれない。ルールを無視するユーザーを禁止するといった規定を整備したり、エディターが慎重にキュレーションしたコンテンツを提供したり、バラク・オバマ元大統領など世界的なリーダーが回答するコーナーをつくるなど、質の高いプラットフォームづくりに注力している。

Quora は、Benchmark Capital、ピーター・ティール氏、Y Combinator などそうそうたる投資家から出資を集め、これまでに調達した額は2億3500万ドルになる。評価額も前回のラウンドから倍増しており、現在の評価額はおよそ18億ドルとのこと。

収益に関しては、広告収入が柱になると期待されている。昨年4月に Quora は初めて広告を導入し、質問の内容に合わせた広告配置を試みている。

IPO の時期についても周囲の関心が大きくなっているが、ダンジェロ氏は「どこかのタイミングで、上場したいと思っている」とコメントしている。

via VentureBeat

* 訂正(4/22):当初評価額を9億ドルと記載していましたが、前回の調達時の評価額でした。18億ドルに訂正しました。

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