
スタートアップが資金を得られるようにするため、シンガポール証券取引所(SGX)は、スタートアップ界の2つのステークホルダーとそれぞれ了解覚書(MOU)を交わした。
Crowdo との了解覚書は現代の経済の特徴を反映している。Crowdo は株式クラウドファンディングのオプションが付帯する地域規模の P2P レンディングプラットフォーム。これまでに約2,000件のプロジェクトに融資している。
Crowdo は本日(3月31日)シンガポールでの正式なローンチを発表したが、同国へ進出してまだ間もない新参者だ。マレーシアとインドネシアに支店を持つ。シンガポール通貨当局から正式な株式クラウドファンディングの許可を取得している。
Crowdo の共同設立者兼 CEO である Leo Shimada 氏は、声明で次のように述べている。
今回のパートナーシップは、地域内のアーリーステージおよびプレ IPO を対象とした資金調達プラットフォーム Crowdo と、競争力のある公設市場のソリューション SGX との強力なコンビネーションを創出するものです。
一方の SGX 側の思惑としては、これらの合意により、企業が資本にアクセスできる方法を教育するためのインフラの整備が期待できる。
最終目標は、資金調達を行う上でより効率的な方法を確立することだ。
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PwC Venture Hub との了解覚書
PwC Venture Hub は、スタートアップエコシステムの人々をつなぐプログラムで、業界内でのコラボレーション促進を目的としている。
同社は専門的なサービスを国際的に展開しており、Venture Hub を起業家や投資家がパートナーシップを築くためのワンストップサービスと位置付けている。
SGX との了解覚書では、シンガポールをスタートアップの魅力的な拠点として PR し、(シンガポールをハブとした)アジアでのビジネスチャンスについて世界中の企業に周知することが期待されている。両者はエコシステム内で話し合いの場を設けたり、ソートリーダーシップ(新しい理念を提示して影響力を高める手法)の展開を計画している。
SGX でベンチャーキャピタル市場(中小企業)部門と資本市場部門のリーダーを務める Mohamed Nasser Ismail 氏は、声明で次のように述べた。
マーケットオペレーターとして、私たちの確立されたインフラとネットワークがアーリーステージにある企業の資金調達を支援し、資本にアクセスしやすくなると確信しています。
今後もアーリーステージの企業が専門知識と成長資本を容易に手にできるよう、同じ考えを持ったステークホルダーとの協力を続けていく予定です。
PwC Singapore のフィンテック部門と金融サービス部門のリーダーである Antony Eldridge 氏は、同社をシンガポールのスタートアップシーンの一社と位置付けている。彼は、シンガポールが「国際的なイノベーションハブとなるにふさわしい位置まで来ている」としており、今回のような覚書はエコシステムの成長を促進する上で好ましいと述べた。
補足として、これらの覚書はどちらもスタートアップのみならず、中小企業も対象となっている。
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