
Photo credit: SoftBank
日本の大手通信企業ソフトバンクが Paytm のペイメント部門に対する15億米ドルの投資について交渉中である、と Mint が匿名の情報源より報じた。Tech in Asia は独自取材を通じ、交渉は進んでいるものの最終段階には至っていないことを確認している。
Alibaba(阿里巴巴)が支援する Paytm は最近、Paytm Ecommerce および Paytm Payments Bank の2部門に分割された。Alibaba は2億米ドルを投じて e コマース部門の主導権を握り、インド市場への直接参入を果たした。これにより、グローバルな競合相手である Amazon やインドにおける競合の Flipkart に対抗する。Flipkart は今月に入り14億米ドルの資金調達を発表している。
Paytm 設立者の Vijay Shekhar Sharma 氏は、人気のデジタルウォレットを有する Paytm Payments Bank への投資を目的に、親会社 One97における自身の持ち株の一部を売却した。ペイメントバンクはインドにおける新たな業態であり、取り扱いは電子決済に限定され、ウォレットを超えた預金残高は持てるものの融資は認可されていない。
Alibaba が支援する同社は、インド銀行事業への中国による影響力に対する懸念に応えなければならない。
Vijay Shekhar Sharma 氏は次のように話している。
当社は Maruti(日本企業のスズキが過半を持つ自動車メーカー)と同様にインド企業です。
一方 Paytm はブログ投稿で次のように述べている。
Paytm Payments Bank の株主構成は Vijay Shekhar Sharma 氏が51%で、49%が One97 Communications です。Paytm Payments Bank はインド人が所有・経営する真のインド企業です。
したがって、ソフトバンクによる Paytm への投資は同社の主要投資家 Alibaba への依存度を下げることになり、インドにおける決済と銀行業をディスラプトするにあたり阻害要因となる「中国とのつながり」を解消することになる。ソフトバンクはすでに Paytm 株式を間接保有している、というのも同社は Alibaba の株主だからだ。
ソフトバンクはこれまでにインドで Snapdeal、Ola、Oyo Rooms、Housing などに大規模な投資を行ってきたが、Paytm への投資は同社にとってインドにおける最大の賭けとなる。また、現在 Snapdeal の売却を Flipkart と交渉中だ。
さらに、ソフトバンクはインドで主要なプレイヤーとなることを目指しており、最近も代表取締役会長兼 CEO の孫正義氏は以前の公言通り、インド向け投資は100億米ドルを超えると話している。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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