人工知能でニュースを集めるStockMark、B向けに最適化した記事クリッピングサービス「Anews(エーニュース)」を正式ローンチ

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東京を拠点とするスタートアップ StockMark は24日、企業やチーム向けに、各種ウェブサイトからニュース記事をクリッピングし配信するサービス「Anews(エーニュース)」を正式ローンチした。契約ユーザは、PC および モバイルからアクセスが可能だ。

企業において、今も昔も、特にマネージャークラスが頭を悩ませるのは、部下の情報感度、ひいては、業務を中心とするビジネスへの興味をどうやって引き上げるかという課題。古くはオフィスで事務員さんが新聞記事をマーキングしたり切り抜いたりして回覧していただろうし、ここ数十年では、ELNET(イーエルネット)のようなサービスが、メールや FAX で条件に基づいてクリッピングされた記事が配信してくれるようになった。

ANews が強みとするのは、あらゆるウェブメディアを横断的に記事収集する点だ(国内外1万メディア以上が対象)。新聞社や通信社が提供するクリッピングサービスは自社配信の記事のみが一般的だし、クリッピングサービス会社が提供するものでも、情報源は契約先の新聞社や通信社の配信記事に限定されるが、ANews では、各種ニュースキュレーションアプリと同様、ユーザには記事のリンクと抜粋のみが提供され、本文の読込はオリジナルのサイトにトラフィックが誘導されるしくみとなっている。

Anews のアナリティクス・ダッシュボード画面

ところで、ニュースキュレーションアプリはこれまでに一通り出尽くした感があるが、敢えてこのタイミングで、Anews が登場してきたのには、相応のいくつかの理由がある。その一つは、洗練された管理者向けのアナリティクス・ダッシュボードが備わっている点だろう。会社における上長はこの機能を用いることで、部下のニュースの閲覧頻度などの利用行動を可視化し、より効率的な情報収集を促進することができる。ユーザ視点から見ても、単なるキーワード検索ではなく、記事抽出エンジンが記事のコンテキストを理解した上でクリッピングする仕組みは興味深い。このしくみは、StockMark がニューラルネットワーク「Word2Vec」をベースに、昨年来開発してきた技術がもとになっている。

同社は昨年4月に StockMark をローンチし、約半年後となる10月あたりから Anews の開発に着手。これまでのテストマーケティングには50社ほどが参加しており、自動車部品大手のコンチネンタル・オートモーティブ、帝人などがサービスを正式採用した。

先週には、管理者(上長)が選んだ記事のニュースフィードに、一般ユーザ(部下)がコメントできる機能が追加され、さながら「社内版 NewsPicks」が運用できる環境が整った。上長は、ユーザ単位での閲覧履歴や未読記事なども把握しやすくなることから、社員の興味や嗜好に応じたプロジェクトや役割のアサインなど、タレントマネージメントの一助にも応用できそうだ。

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