誇大な宣伝と実際にできることの差ーーチャットボットのジレンマ

編集部注:寄稿者のTobias Goebel氏はコールセンター改善を提供するAspect Softwareで新規開発ディレクターを担当する人物

The InformationによるとAIボットの不具合率は70%にも上っており、世界中の批評家たちの非難の的になりつつあるというのだ。これらのテスト結果から、このシリコンバレーのブログは人工知能を利用したチャットボットは人間の手なしに要求されたことの30%しか達成させることはできないとしている。

テクノロジー系の大企業たちがこのAIボットに注目していることから、大量の開発者たちが、大勢のオーディエンスを獲得するために、もしくは多額の収入を得られると期待して様々な目的のボットを構築してきた。しかし実際の内容は迫力に欠けている。

2016年にはAIやチャットボットという市場の統合が発生し、市場活動の活発化が始まった。マーク・ザッカーバーグ氏が「これをビジネスと呼びたい人はまだ誰もいない」とBusinesses on Messsengerを紹介した2016年4月の開発者カンファレンス「F8」から始まったと言う人もいるだろう。

業界が作り出した大げさな宣伝に比べて実際の理解にはなぜこのような食い違いがあるのか?(もちろん、いくつかの食い違いは大概が大げさな宣伝が原因だ)。我々は今あるジレンマに直面している。それはボットが本来あるべきで姿で活用された時の姿と、ボットそのものに対しての「嘘」に関するものである。

チャットボットの価値を探して

ボットは人間と機械のインタラクションを簡素化するものだ。会話は人間にとって最も自然な形のコミュニケーションで、ボットはエンゲージメントをよりシンプルにすることを約束している。1回限りの必要性を満たすだけのために信頼できないネットからアプリやページをダウンロードする必要はないし、そのためだけの別アカウントを登録し別のパスワードを設定し覚えておく必要はもうない。

ボットは普段の生活に合わせてくれる。お気に入りのメッセージングアプリを開いて、ビジネス名を検索し、(あるいはメッセージコードをみて広告を削除してくれる)チャットを開始するだけで、答えを得られるのだ。

一般的にマーケティングの専門家はこのチャットボットの場合のように、消費者のイノベーションを積極的に受け入れている。マーケティング担当者はあなたをブランドに結び付けたいと考えており、創造性と魅力を感じさせたいと思っている。しかし、ボットはあなたにシンプルなテキストインターフェイスを提供するか、画像やボタンのようないくつかの基本的なGUI要素によって充実したものしか提供できない。

標準化されたメッセージングバブルに魅力的なコンテンツを作成して、顧客がボットとまた会話したいと思わせることは難しい。さらにボットが提供される環境をコントロールすることは難しいだろう。たとえばFacebook、または…まあ、主にFacebookのことなのだが。つまり、アプリやウェブサイトのように完全にあなたのコントロール下にある環境と異なり、私たちは、メッセージングプラットフォームに移行する時点で環境のコントロールを諦めなければならない。

消費者として新製品市場にいる場合、私たちは検索から始める。インターネットを徘徊して内容を比較する。しかし残念なことに顧客としての旅の中でこの発見の段階では、必要とする情報はメッセージングにはあまりフィットすることはないのだ。そしてそれがボットジレンマをもたらす。

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Image by Viktor Kiryanov via Attribution Engine. Licensed under CC0.

ボットのジレンマ

ボットは「自分が欲しい内容を知っているので、できるだけ早く便利に答えを出してください」という簡単な質問には最適だ。しかし買い物をするとき、消費者は望むものを正確に知ることができない。彼らは自由に探検することができる空間内でオファーを確認したいと思っている。会話はその課題に対する最善の方法ではない。彼らはあっと驚き、確かめて、喜びたいのだ。消費者はこれからビジネスをするかもしれない企業からの視覚的かつ経験に裏打ちされた魅力的な提案を望んでいる。しかしそれをボットに与えることはたやすくはない。

さらに消費者が頻繁に何かを必要とする時は、ボットではなくアプリを好む場合が多い。より頻繁に顧客をブランドにエンゲージさせたくなればなるほど、ボットが提供することができない豊富で満足のいくUIを望む傾向が強くなるためだ。そのためにボタンや画像付きのカルーセルなど、メッセージングフレームワークに新機能を加えてしまえば、ボットから付加価値を提供したり、メニューをバイパスして、顧客の心に浮かんだ疑問に直接答えるのではなく、既存のモバイルソリューションに似たものだと消費者に思わせてしまうことになりかねない。

これらを整理するとボットのジレンマは明らかになる。

  • Facebookのようなボットのプラットフォームは、マーケティング担当者を惹きつける数十億の視聴者へのリーチを約束している
  • インタフェースの単純さのおかげで、ボットは単純で直接的な質問には最適
  • マーケティング担当者の重要な仕事は新規顧客から需要を生み出すことである。
  • マーケティング担当者は豊富な経験とそれに対する完全なコントロールに努めるが、会話型インターフェースだけではやや物足りない

つまり簡単に言えば、ボットはマーケティング担当者を惹きつけているが、マーケティング担当者はボットが効果的に働ける場所にはまだしたくない、ということになるだろうか。

解決策は顧客サービス

ここでマーク・ザッカーバーグ氏がなぜボットプログラムを始めたのかを再考しよう:彼はあなたの友人だけでなくビジネスにおいても会話がある場所になりたいと思っている。

ではこのような会話はいつ発生するのか?

それはあなたが購入する前ではなく、購入した後、つまり「よくある質問」が発生したときに起こる。「私の注文した品はどこですか?」「返品方針はどのようなものですか?」「商品の在庫はありますか?」「クレームの状況はどうですか?」すべては質問から始まり、ボットは質問を取り扱うのに素晴らしく適している。

顧客サービスはボット開発者が集まるべき範疇であり、ボットがコンタクトセンターという場所に明確なバリュープロボジションを持っているように、自動化によるコスト削減、基本的な情報への年中無休かつ迅速なアクセスによる顧客体験の改善までが対象となる。マーケティングとカスタマーサービスの両方ともだいたい1:1で、顧客内シェアを最適に提供し増加させる。

顧客サービスの自動化に焦点を当てたボット開発者は、ウェザーボットや疑わしいユーティリティ、あるいはネイティブアプリの環境の方がうまく動作するゲームを構築する時と比べて、仕事に明確な金銭的価値を与えることができる。ボットはマーケティングと顧客サービスが出会う場所に最適なソリューションなのだ。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

カバー写真:Image by Viktor Kiryanov via Attribution Engine. Licensed under CC0.

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