2017年を見渡してみると人工知能(AI)の飛躍によって影響を受けていない産業をみつけるのは難しい。製造からヘルスケア、財務までAIはいたる所にある。専門家によればその存在はまだこれから増えるであろう。
自動車業界もAI統合の最前線にいる。AIは輸送を合理化してコストを削減するのに役立つ。業界がAIを利用しているいくつかの方法を見てみよう。
ドライバーアシスタンス(運転補助)
AIが車で使用されている目的のひとつは運転を補助することだ。自動駐車アシストや衝突回避などの機能は新型車の主な機能となっている。後者の機能は、事故の重度を軽減する可能性があり特に役立つ機能である。
結果的に多くの大手メーカーは現在、車両に何らかの形でAIを取り入れている。チャイムを鳴らしてドライバーに物体が近づいている警告をするようなパッシブアプリケーションの形式もある。より積極的な形式ではAIプログラムによって車のブレーキに繋がり、衝撃の力を軽減することができる。
クラウドベースアシスタント(情報補助)
自動車産業におけるスマートAIのもう一つの使用例としては、クラウドベースのパーソナルアシスタントがある。これらのシステムはスマートフォンに組み込まれているアシスタントに似ている。位置情報、地元の企業のデータベース、そして車から得た情報を使用して燃料が不足しているときは近くのガソリンスタンドに向かい、食料品店の近くを運転している時には買い物リストのリマインダを提供するといった事が可能になる。
開発中のシステムの中でも注目すべき例はGM社のOnStarシステムと、IBM社のWatsonスーパーコンピュータとのパートナーシップである。
ライドシェアリングサービスの改善
UberやLyftのようなライドシェアリングサービスは、特に若い世代で人気が高まっている。自分だけの車を所有することを控える人が増えており、ライドシェアリングサービスを利用し移動している。その結果、UberやLyftはサービス強化の方法を模索しており、AIは大きな役割を果たしている。例えばUberは最近Geometric Intelligenceを買収したが、これはAIをプラットフォームにより良い形で統合し全体的なサービス効率を向上させる目的がある。
自動運転車
自動運転車についての言及なしに車やAIについての議論はできないだろう。このコンセプトにはまだ曖昧なサイエンスフィクションの雰囲気があるが、それは考えている以上に早く現実となるだろう。自動運転車のアイデアの背後にあるのは、疲労や注意散漫になるといった人的ミスを方程式から外すことである。Google社とTesla社などいくつかの主要企業がこの戦いに乗り出した。
Google社
2009年からGoogle自動運転プログラム「Waymo」を開発している。このプログラムでは、実際の街の、数十億のシミュレートされた道路上で「300年の人間の運転経験に相当するもの」を搭載した。このプログラムは今までのところ大きな成功を収めており、最終的には世界中に技術をリリースしたいと考えている。
Tesla社
高級電気自動車メーカーのTesla社も、成功した自動運転プログラムを持っている。Autopilotと呼ばれるこのシステムはTeslaの新型車すべてに搭載されている。Autopilotは8台のカメラ、12台の超音波センサー、フォワードフェーシングレーダー、強力なコンピューターを使ってすべての情報を処理する。
このシステムは周辺の交通の速度に合わせて障害や駐車の自動検出、運転時の車線変更などをサポートする。同社は、Autopilotを使用した場合の安全性の確率は、人間のドライバーの2倍以上であると主張している。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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