
アナリストやトレーダーは、ありとあらゆる株式やファンド、マーケットボラティリティの情報にまみれている。ニューヨークを拠点とする Accern は、ニュースサイト、ブログ、ソーシャルネットワークなどをモニターすることで、こうした狂気的な状況に何らかの手段を提供し、最も関連性のある金融コンテンツをキュレートしたいと考えている。同社は本日(5月15日)、新たな顧客の獲得に向けシードラウンドで120万米ドルを調達したと発表した。
Accern の設立者兼 CEO の Kumesh Aroomoogan 氏は、VentureBeat に e メールで次のように語ってくれた。
現在当社では、数十億米ドル規模の多くのヘッジファンドや銀行と協力して、既存のニュース購読フィードを一つのニュースプラットフォームにまとめる取り組みを進めています。また、人工知能のテクノロジーを使ってニュースをキュレートし、顧客がモニターする株式に関連するニュースを見つける手助けもしています。
同社によると、3億を超えるウェブサイト、Twitter や Tumblr といったソーシャルネットワーク、SEC(証券取引委員会)への申請情報をリアルタイムで追跡しているという。
Aroomoogan 氏が言うには、十数に及ぶ金融機関が同社のプラットフォームを活用しており、通常、ユーザは月あたり平均500ドルを支払っているという。 同氏は顧客名こそ明らかにしなかったものの、アクティブユーザ数は500ほどだと述べた。
金融ニュースのインサイトを提供しているのは、何も Accern だけではない。最大の競合はもちろん Dataminr であるが、ロイターやブルームバーグなどのデータサービスも競合と考えられるかもしれない。しかし Aroomoogan 氏はこれを否定する。
Accern にとって、ロイターやブルームバーグは競合ではありません。これは補完的なニュースサービスです。実に多くの企業がこうしたニュースサイトを購読していますので、当社では基本的に、そこにある情報を自社プラットフォームに統合しているのです。
同社は金融サービス以外にも事業を拡大する計画がある。Aroomoogan 氏はこう述べている。
当社では、顧客企業の不祥事やスキャンダルをめぐる世間の反応をよりよく理解する手助けができるようなプラットフォームの構築を目指しています。それは、最近集中砲火を浴びているユナイテッド航空のようなブランド企業にとって、騒動に関するあらゆるメッセージや反応を効率的に集約できるといったメリットがあるでしょう。
非金融系の顧客企業としては IBM が初だとしたものの、取引の詳細については言及を避けた。
今回の投資ラウンドに参加したのは、Rostra Capital、VYL、Gurtin Ventures、26 Ventures、Belmont Capital、Affinity Investment Group のほか、複数のエンジェル投資家たちだ。Accern は今回獲得した資金を、データサイエンティストやエンジニアの新規採用に加え、多くのニュースをモニターするプラットフォームの AI 機能向上に活用する予定。
2014年に設立された Accern の現在の従業員数は12名。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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