Alibaba(阿里巴巴)が出資するインドのPaytm、金のオンライントレード事業に進出——スマートフォンから金を売買・保管できる時代に

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インドのデジタル決済および m コマース大手 Paytm は、携帯電話からでも金の売買や保管が可能になる金のオンライントレード事業に乗り出した。

Alibaba(阿里巴巴)と Ant Financial(螞蟻金融)が出資する Paytm は、このサービスのために貴金属加工施設 MMTC-PAMP India と提携を結んだ。MMTC-PAMP India は、スイスの地金ブランド PAMP SA とインドの Metals and Minerals Trading Corporation との合弁企業。

また、Paytm は Gold Accumulation Plan というサービスをローンチした。このサービスを利用すれば、ユーザは Paytm アカウントを使って最低1インドルピー(0.02米ドル)から金の売買が可能になり、購入した金は MMTC-PAMP によってロッカーに保管される。そして、積み立てた金を金貨の形で自宅まで届けてもらうか、もしくは、すぐにオンラインで売却することもできる。売却で得たお金はユーザの銀行口座に入金される。

Paytm によると、ユーザは9999ゴールド(世界で取引に用いられる最も純度の高い金)を購入することが可能だという。祝祭日や銀行の休業日も含めて年中無休の365日24時間、金を購入することができる。ウェブサイトやモバイルアプリなどの Paytm プラットフォーム上から現在の金価格をリアルタイムで確認できるようになる予定だ。

Vijay Shekhar Sharma 氏によると、インド人にとって金は最も好ましい投資形態だそうで、Paytm は金投資をデジタルな方法でユーザが簡単に行えるようにしている。World Council の推計によれば、インド国民が現在保有する金の量は2万4,000トン以上で、金額にすると9,000億米ドルに相当するという。

2008年設立の Paytm はノイダに本社を置く One97 Communications によって運営されており、インドの e コマースおよび電子決済業界におけるキープレーヤーだ。もともとモバイルリチャージ企業として始まった Paytm は、後に e コマース事業に進出した。同社は数週間前、Paytm E-commerce と Paytm Payments Bank Ltd.という2つの企業を設立した。

複数の報道によると、Paytm は現在12億~15億米ドルの資金調達に向けて日本の巨大インターネット企業ソフトバンクグループ協議中で、これが実現すれば同社の企業価値は90億米ドルに達する見込み。これまでに SAIF Partners、Sapphire Venture、Silicon Valley Bank や、大物実業家の Ratan Tata 氏などから総額で約10億米ドル近くを調達している。また、数ヶ月前に、1口座につき10万インドルピー(1,500米ドル)を上限に個人や中小企業から預金を受けることのできる決済銀行をローンチした。

同社は e コマース分野において、Amazon、Flipkart、ShopClues、Snapdeal と競合している。電子決済分野では、MobiKwik(Mediatek と日本企業 GMO が出資している)や FreeCharge(2015年4月に Snapdeal が約5億4,000万米ドルで買収)との競争に直面している。

【via e27】 @e27co

【原文】

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