
インドネシアの人工知能スタートアップである PT Jualan Online Indonesia は本日(4月27日)、チャットボットサービスの Bang Joni をジャカルタで正式にローンチした。
このサービスは LINE Messenger でのみ利用でき、ユーザは Bang Joni(ジャカルタ方言で「ブラザー Joni」)という名のメッセンジャーボットを使って航空券や長距離バスの予約、Uber を呼ぶ、天気のチェック、単語の翻訳、プリペイド式携帯のチャージなどができる。
Bang Joni はユーザがよく利用するサービスをリマインドすることもできる。
CEO の Diatce Harahap 氏は次のように述べた。
私たちは怠け者でも楽に生きていけるようにしたいのです。
2015年後半に立ち上げられてから2017年4月までに Bang Joni は40万人のユーザを確保し、3万7,224件の取引を実現したという。
Uber、Skyscanner、Tiket.com、X-Trans、Tomato、Loket.com といった主要ブランドと提携している。
同社は現地の非公開の投資家からシリーズ A ラウンドで200万米ドルを調達し、ビジネスを拡大させた。
競争における強み
Bang Joni はインドネシアで B2C チャットボットサービスを提供した最初で唯一のスタートアップというわけではない。
しかし、この業界でスタートアップがやっていくのは厳しく、HeloDiana は資金不足により2016年4月にサービスを停止し、また YesBoss は B2C サービスを終了して Kata.ai をローンチし、B2B に鞍替えした。
他のスタートアップが失敗した分野で、なぜ Bang Joni は成功することができたのだろうか。
Harahap 氏によると、その答えは収益とイノベーションだという。
Harahap 氏は次のように述べた。
取引は確実です。業者が何らかのものを売っているように、私たちも売っているのです。カギは、イノベーションを起こし続けることです。それが、より使いやすくて賢い2代目のチャットボットをリリースした理由です。
また、Bang Joni の強みの一部は、正式なインドネシア語とは大きく異なる俗語にも対応しているところにあるという。
Harahap 氏は次のように説明している。
誰も正式な言葉でチャットなんてしません。誰も正式な文法構造でインドネシア語を話さないので、これは私たち自身の独特の課題になります。英語の方が簡単ですよ。
ローンチイベントのデモセッションで彼は、「Joni、誰か女の子を紹介してよ」などというおかしな質問に対して Bang Joni がどのような反応をするか見せた。
Bang Joni は「それは僕には無理だけど、週末の航空券を予約してはどうだろう?可愛い彼女ができるかもよ」と返した。

Bang Joni の計画
2017年にはジャワ語やスンダ語といったインドネシアの方言にも対応できる新しい機能がリリース予定だということもほのめかされた。
キャッシュレス支払いシステムの BJ Pay の開発を進める計画もある。
Harahap 氏は次のように述べた。
現在ユーザは BJ Pay で携帯電話のチャージしかできませんが、将来的にはどんなサービスでも使えるようにしたいと考えています。
同社が IoT に手を伸ばす計画もどうやらあるようだ。
Bang Joniに「Bang、エアコンを切って」と頼めるようになればいいですよね。
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