L’Oréalのビューティーボットは相手の欲しい贈り物を「考えて」プレゼントしてくれる

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Image via Attribution Engine. Licensed under CC0.

L’Oréalはプレゼントを送る側と送られる側にヒアリングをするBeauty Gifterというボットを開発した。このボットはパーソナライズされたメイクとスキンケアの贈り物を販売する。

ボットは先週、試験公開された。

Beauty Gifterは、昨年よりモントリオールを拠点とするスタートアップのAutomat Technologiesと共同で水面下で開発されていたL’Oréalのコミュニケーション体験シリーズの1つだ。

Automat CEOのAndy Mauro氏は、VentureBeatの電話インタビューにこう答えてくれた。

「今後の開発計画にはチャットボットの利用促進のために店内でQRコードの使用を採用する可能性があります。また他にも可能性はたくさんあるので、ボットの可能性がどのように広がるかを是非楽しみにしていてください。ボットは私たちが力を入れていく分野です」。

先月、Facebookデベロッパー向けカンファレンス「F8」で発表されたMessenger Platform 2.0のカメラはQRコードをスキャンできるようになった。Facebook Messengerの進化により、これまでのようにボットやプロフィールにリンクするだけでなく、ボット内での特定のコミュニケーション体験など、より広い範囲の事柄にリンクさせることが出来るようになった。これは今までの販売に直結させるだけのリンクとは対照的である。

相手が欲しい贈り物を探し当てる

Beauty Gifterはまず、プレゼントを贈る人に予算と贈る相手の年齢を質問をする。その後、プレゼントを贈られる人に対して「プレゼントを贈りたい」という内容のメールを送信する。

これによりボットは肌の色とタイプ 、好みの色の組み合わせ、肌のコンディション、気になっている部分を質問し、終了後に商品の選択肢をピックアップしてプレゼントを贈る側の人に提案する。

Mauro氏によると、L’OréalはThe Body ShopからGiorgio Armaniまで数十のブランドを保有しているため、事前に欲しい物をたずねることによってプレゼントを贈られる側の期待値が下がることはないと話す。

「現時点で存在している多くの安っぽいギフト・ボットは、プレゼントの内容を贈る側に質問するタイプがほとんどです。贈る側は通常、これらの質問の答えを知りませんが贈られる側は知っています。多くの人は贈られる側にプレゼントの内容を事前に聞くと、ドキドキ感がなくなるのではと言います。しかし実際にはほとんどの人が気にしていないことがわかりました。数十のL’oréalブランドの存在により驚きは損なわれないからです」。

Messenger 2.0での最適化

先週のF8でメッセンジャー関連事業のヴァイス・プレジデントDavid Marcus氏の基調講演内で、L’OréalとAutomatの事例がメッセンジャー・プラットフォームで使用される革新的なボットとして取り上げられた。Marcus氏はAutomatを初期のMessengerボットエコシステムで大きな役割を果担う数少ない企業の1つだと述べる。

また同カンファレンスで、Messenger Platform 2.0にはEpytom Stylistファッション・レコメンドボットとSephoraメイク・スケジューラボットという美容とファッションを手がける2つのボットが登場した。

先週、AmazonはファッションやボットおよびECを繋げるトレンドの先駆けとして、Alexaとコンピュータビジョンを組み合わせて服選びをサポートするサービス・デバイスEcho Lookを発表している。

マーケティングと販売においてMessengerプラットフォームは今後、大きな役割を果たすことになるだろう。F8開催前に実施されたテックメディアRecodeとのインタビューでMarcus氏は「Messengerのビジネスモデルは広告を中心としており、今年初期にMessengerでの広告掲載を試験開始した」と語っている。

Mauro氏は会話型マーケティングについて店舗にいるような体験を人々に提供し、直接的な会話からブランドと顧客の関係を変化させると考えている。

カナダでの運営

L’Oréal は最近「モントリオールにAIに優れたセンターを新設する」ことを発表した。モントリオールはAI業界で革新的に成長を進める都市である。近年ではMicrosoft やGoogleなどの企業もモントリオールでのAIセンターに投資している。

去年の秋、GoogleはモントリオールにAI研究所を開設してチームを成長させる計画を発表した。また今年初めにMicrosoftはモントリオールでのAIプロジェクトを倍増させている。

Beauty Gifterは当面カナダでのみの提供予定だが、L’Oréalは2018年に英国市場などにボットを展開する可能性があるとMauro氏は話す。

これまでAutomatは主に水面下でテストしていたが形になりつつあるため、スタートアップにとってMessenger上のチャットアプリケーション・ボットは最大のチャンスを迎えていると考えてる。直接的な販売を提供する会話型マーケティングや、 デジタルチャンネルでの経験と同じであるとMauro氏は本誌に語っていた。

初期のプロジェクトではKikのファッションアドバイスのためのKalani HillikerボットやCalifornia 811のガス管や水道管などを確認せずに庭を掘る危険性について人々に警告するボットも作成している。

「Automatに関しては静かにそして隠密に物事を進めていました。メッセージングやチャットボットの最大の特長が顧客サービスやその他の側面よりも会話型マーケティングになることは明らかです」 とMauro氏は言う。

「過去25年の電子商取引によって人間味が欠けているウェブやモバイルの店舗が作られました。今後は会話型のマーケティングがデジタル店舗の多くを占めるようになるでしょう」 (Mauro氏)。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

Translated by MachineTranslation+Conyac

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