中国のバイクシェアリング業界、ゴールドの自転車登場でややセンスに欠ける新展開

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中国の街がゴールドに染まっている…なんとゴールドの自転車だ。この新たな自転車は、北京に拠点を置く自転車シェアリング会社 Coolqi(酷騎単車)と、青島発の大手家電会社 Haier(海尔)が共同で開発したものだ。

この自転車は色がゴールドでアクセントとしてサドルやグリップにロイヤルブルーが使われているが、それ以外に目を引くのは携帯電話の充電器が搭載されていることだ。Coolqi の通常の自転車はライムグリーン色だが、この豪華版のゴールド自転車には Haier 製の携帯電話ホルダー、マイクロ USB、USB Type-C、ライトニング充電ケーブルがついている。

中国メディアは既に、レンタサイクル業界に出現したこの新しい自転車に、ややセンスに欠けて極端に派手なアクセサリーや車を好む中国の成金を意味する「Tuhao(土豪)」の烙印を押している。中国ネチズンも同様に、これらの自転車は見苦しく、けばけばしい光で失明してしまう恐れがあると手厳しく批判しており、ミニブログプラットフォームの Weibo(微博)では、Haier のアカウントに対し、道路交通上の安全性に影響を与える恐れはないのかと質問を投げかける者もいるくらいだ。Haier はこれに対し、自転車の色は「華やか」であるとしている

メディアによると、Coolqi の設立者兼 CEO である Gao Weiwei(高唯偉)氏は、レンタサイクル用自転車への充電器設置はこれまでとは全く違ったアプローチだという。

ゴールド版の自転車の投入はディスラプティブな動きです。(Gao Weiwei氏)

レンタサイクル分野におけるこの光り輝く新たなアプローチは、中国市場における激しい競争を反映している。約30社にのぼるレンタサイクルスタートアップには何億ドルもの資金が投入されており、中国の街並みは鮮やかに塗られた数十万台の自転車で埋め尽くされている。各社は価格を低く抑えて競争に勝ち残るため、極端に低いあるいは皆無のマージンで事業を運営してきた。最大手の Mobike(摩拜単車)ofo(小黄車)に至っては、利用者の増加を狙い、現金や無料乗車の提供すら行っている。

ゴールド版の自転車は現在、北京、上海、深圳、杭州、西安の5都市で利用できる。デポジットとして298人民元が必要で、30分の利用料は、市場に出回っている他社のレンタサイクルよりわずかに高い1.5人民元だ。Haier と Coolqi は今後この「24カラット」自転車に1,000万台の充電器を設置予定だが、実現すれば最大で10億人民元相当(約161.7億円)の資金がかかる。ひょっとすると今後はこれが、レンタサイクル業界における新たなゴールドスタンダードになるかもしれない。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

 

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