Blue Apron と Delivery Hero は、すでに IPO に向けて仕事を進めていた。フードデリバリー市場における競争が、いくつかのスタートアップをむさぼり食っている中で。だが、先週金曜日(6月16日)にアマゾンがホールフーズ・マーケットを137億ドルで買収すると言ったとき、その作業はより難しいものとなった。
Blue Apron と Delivery Hero の両者は、それぞれ IPO に向けた次のステップとして、売り価格を本日(原文掲載日:6月19日)提示した。アマゾンによるホールフーズ・マーケットの買収の影響はまだ未知であり、Blue Apron と Delivery Hero が公開市場に進出する道は残されているものの、その道も近い将来閉ざされてしまうかもしれない。
Blue Apron は目論見書を更新して、IPO価格を一株あたり15ドルから17ドルとした。これに基づけば合計額は5億1,000万ドルとなる。ベルリンの Delivery Hero は、IPO で9億9,600万ユーロを調達することを目指しており、その額は一株22から22.5ユーロの IPO 価格に基づいている。
新たに Blue Apron が更新した申請書では、リスク要因の箇所において次のようにコメントがある。「我々が競争している業界全体で事業の合併と統合が進んでおり、それによって今後直面する競争も増し、我々よりも非常に大きなリソースや顧客ベースが競合にもたらされる結果になりうる」。
Delivery Hero は、それに比べると今の時点ではそこまで懸念を抱いていないようだ。ホールフーズの店舗が主に北米であり、イギリスに9店舗展開されているにすぎないからだ。だが、アマゾンはその新しいビジネスモデルを海外に展開する傾向にあり、欧州のスーパーチェーンやレストランデリバリーの会社を買収する可能性もある。
Blue Apron とDelivery Hero が IPO 前後でどのように価格をつけるかは、他のデリバリースタートアップの未来にも大きな影響を及ぼすだろう。投資家以外にホールフーズに頼っている Instacart もまた、見えない将来に直面している。Instacartの広報担当者は先週金曜日に TechCrunch に「アマゾンは、アメリカ全土のスーパーマーケットに対して宣戦布告したようなものだ」と語っている。
アマゾンの買収が、既に競争の激しいフードデリバリー市場にどのような影響をもたらすかはまだ分からないが、企業は遅くなるよりもむしろ早い段階で資金調達をする方が賢明かもしれない。
(本記事は抄訳になります。)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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