中国のバイクシェアリング大手Mobike(摩拜単車)、ヨーロッパに拡大

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中国のバイクシェアリング Mobike(摩拜単車)
Image Credit: Mobike

急成長を続ける中国の自転車シェアリングスタートアップの Mobike(摩拜単車) が、アジア以外のマーケットに初めてローンチすると発表した。

2015年に上海で設立された Mobike は、昨年の初ローンチ以来、中国全土の数十の都市でサービスを提供している。今年3月にはシンガポールに上陸した。そして本日(6月12日)、イギリスの都市マンチェスターとサルフォードで今月以内にローンチすると発表した。これによって同社が事業展開する都市数は、世界3つのマーケットで計100都市に達するとした。

イギリスでのローンチは、Mobike の大々的なヨーロッパ拡大の最初の一歩となる。今後数ヶ月内に「相当数のヨーロッパの都市」にサービス展開する計画だ。

私たちはすでに、ヨーロッパ地域の多数の都市と交渉を進めています。このパイロット事業の成功こそが、多くのパートナーシップを獲得するための最初のステップになると確信しています。私たちの事業によって、自転車はヨーロッパ全土の都市民にとって最も便利で経済的な選択肢となるでしょう。

Mobike U.K.のゼネラルマネージャー、Steve Pyer 氏はこのように語った。

あらためて解説すると、Mobike はサービス提供都市に対し、自転車およびモバイルアプリなどのテクノロジープラットフォームを提供している。車体の耐久性を確保し、多大な修理コストを回避するため、Mobike の自転車はチェーンレスだ。スポーツ仕様のパンクフリーのエアレスタイヤを装備し、錆びないアルミフレームを使用している。自転車のロックを解くには、利用者の携帯端末で QR コードをスキャンする。

これまでに同社は3億2,500万米ドルの資金を調達している。今年1月には Tencent(騰訊)がリードしたラウンドで約2億1,500万ドルを調達した。これまでの主な投資家としては、Foxconn(鴻海/富士康)、Temask、Sequia Capital がいる。

カーシェアリングサービスが自動車の走行データを蓄積し、都市の交通インフラの改善に寄与しているのと同様、Mobike は各自転車に GPS を内蔵している。リアルタイムの走行データにアクセスすることによって最適な配車を実現しており、同時に、天候や交通状況の変化がサービスにどのように影響するかも分析している。Mobike によれば、このデータはまた「様々なスマート都市計画プロジェクト」において都市プランナーを助けるという。

Pyer 氏は次のように続ける。

私たちの目標は、責任感を持つこと、持続的であること、そして革新的であることです。私たちは、マンチェスターとサルフォードの住民がすぐに私たちのサービスの良さを理解してくれると確信しています。自転車の利用が増加し、スマートデータが都市計画に活用され始める際には、これらの都市は、実現可能な都市構造変革のショーケースとなるでしょう。

都市の混雑に加え、コナベーション(都市の連結肥大化)が世界中で懸念される中、自転車は投資家たちの間でのホット・トレンドとして注目を集めている。昨年9月、Mobike と並ぶ自転車シェアリングスタートアップの Ofo(小黄車)に「数千万単位」の金額を Didi Chuxing(滴滴出行)が出資している。Ofo は今年すでに4億5,000万米ドルという驚くべきラウンドをクローズさせている。一方アメリカでは、最近、Anderesseen Horwitz がリードしたラウンドで LimeBike がおよそ1,200万米ドルを調達した

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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