ベルリン・メイカーズの祭典「Maker Faire Berlin 2017」現地リポート【ゲスト寄稿】

本稿は、「Monozukuri Hub Meetup」を主宰する Makers Boot Camp の CEO 牧野成将氏による寄稿である。

Makers Boot Camp は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータである。

今年2月には、20億円規模のファンドを組成している。


Maker Faire Berlin に向かう人たち
入口近くには、子供も楽しめる体験アトラクションも。

ベルリン滞在中の週末に「Maker Faire Berlin 2017」を訪問しました。ドイツ国内ではベルリン以外にも様々な都市で Maker Faire が開催されており、モノづくりの国、ドイツを良く表していました。

会場に入ってすぐのエントランスにて。何気ないライトもアートです。

会場は日本国内と比べるとそれ程大きくはありませんが、印象的だったのは子どもたちの数の多さ。もちろん親が連れてきている訳ですが、ハンダごてで基板づくりをする子、Arduino を使って PC を自作する子、またレゴブロックを使って何かものを作っている子までおり、素晴らしいモノづくり環境に育っているドイツの子どもたちが羨ましくなりました。

PCを自作する大人と子供。モノづくりには年齢は関係ありません。
子供向けワークショップが多く行われていました。

ベルリンの Maker Faire は未来のモノづくりを支える子どもたちに楽しんでもらえるような、仕組みづくりができているイベントで、小さな子どもたちが自分の手を動かして大人と一緒に「作り上げる」体験をできるものが多くあったことが印象的でした。日本人と同じようにドイツ人はみなモノづくりが大好きなんだと感じ、共通項を見つけて嬉しくなりました。

その一方で、日本では子どもたちの好奇心を刺激する環境を私達大人が提供できているか? と言うと胸を張って答えられないと知る機会にもなりました。帰国後、子どもたち向けのモノづくりや起業についてを知ってもらうプログラムなどの充実を図りたいとの思いを強くしました。

クリエイティブなレゴに夢中な子どもたち
子供も大人も、Makers はスターウォーズに夢中

展示に関してですが、日本ではドローンや AR といったテクノロジー的なものが多く展示されていますが、ベルリンでは農業、音楽、ゲームなどより身近に感じられるものの比率が多い様に感じました。世界中から最先端のアーティストが集まる新たなクリエーターの街として、モダンアートやアンダーグラウンドミュージックなどの新しい文化ムーブメントが生まれているベルリンならではの Maker Faire であったと思います。

今回ベルリンの Maker Faire に参加して感じたのは、都市の個性が作り手に与える影響とモノづくりの方向性を決定づけることについてです。日本は技術を徹底的に極めていくメイカーズが多いことや今回の身近な事柄に技術を発展させていくベルリンの例などを考えると、各都市の個性を表現するメイカーと出会うことができる世界各国の Maker Faire に訪れる価値はあると感じました。

多くのスタートアップや Makers が自慢のプロダクトを展示していました。

今回の参加企業で私が個人的に紹介したい企業が1社あります。アフリカ等の途上国で「1ドル」でメガネを提供する EinDollarBrille という会社です。世界中では7億人以上の人たちがメガネを必要としているそうですが、途上国ではそのメガネが十分に行き届かず、勉強や仕事に就くことが出来ない人が生まれているということです。

EinDollarBrille は非常にシンプルな形状でメガネを作り、それを現地生産し低予算の眼鏡を必要とする人に届ける「OneDollarGlasses」というサービスを開始しました。たった1ドルで、これまでチャンスを得ることの出来なかった人に新しい人生を与えることのできる、社会の仕組みを変える可能性のあるスタートアップが生まれてきていることに大きな可能性を感じました。

EinDollarBrille のブースにて。多くの人が足を止めて話を聞いていました

Maker Faire に参加し、日本でもこうした社会に貢献するモノづくり企業が生まれて欲しい、と強く思うと同時に、Makers Boot Camp として社会に貢献できる起業家支援をどのようにおこなっていくべきかを考える機会となりました。

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