
シンガポールと東京を拠点に、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去技術を開発するスタートアップ Astroscale は13日、シリーズ C ラウンドで2,500万ドルを調達したことを発表した。このラウンドに参加したのは、既存投資家の産業革新機構(INCJ)、ジャフコ(東証:8595)、三菱 UFJ キャピタルのほか、ベンチャー投資会社のエースタート、ANA ホールディングス(東証:9202)、切削工具メーカーのオーエスジー(東証:6136)。Astroscale は今回調達した資金を使って、イギリス子会社の体制拡充と経営体制の強化を行うとしている。
今回の調達は Astroscale にとって、シリーズ A ラウンドでの770万ドルの調達、シリーズ B ラウンドでの3,500万ドルの調達に続くものだ。今回新たに参加した投資家のうちオーエスジーとは、2015年に同社のスポンサードにより、微小デブリ計測衛星「IDEA OSG 1(イデアオーエスジーワン)」の開発に着手していた。Astroscale は来年初頭に IDEA OSG 1、2019年前半に磁石を備えたデブリ除去衛星実証機「ELSA-d」の打ち上げ、2020年の事業化を目指す。

Image credit: Astroscale
Astroscale は、ANA からは安全運航や管制に関する知見や航空会社としての経験、OSG からは衛星製造に向けたツールの提供などを受けるとしている。ANA による宇宙事業への投資としては、2016年12月に実施した宇宙機開発スタートアップ PD エアロスペースへの出資(2,040万円)に続くものとなる。ANA は2016年4月、航空産業以外への事業着手を念頭に、グループ全体のイノベーション推進のためデジタルデザインラボを立ち上げ、クラウドファンディングサイト「WonderFLY」を運用している。
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