ホストとゲストのマッチングにおいて、AirbnbはいかにAIを活用しているか

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Airbnb のエンジアリング VP、マイク・カーティス氏と Axio sのイナ・フライド氏の対談。7月11-12日にサンフランシスコで開催された MB 2017 にて。
Image Credit: Michael O’Donnell / VentureBeat

ブロックチェーンやAIのようなテクノロジーが破壊的だと言うのは、控えめな表現だ。だが、Airbnb ではエンジニア担当 VP のマイク・カーティス氏は、ブロックチェーンによって破壊される心配はしていないと言う。なぜなら、他人の家に滞在するように人々を説得する上で、テクノロジーにおけるチャレンジはそれよりも小さいからだ。

この非常に人間的な問題を解決するにあたって、Airbnb のアプリやウェブサイトは予測モデルやランク検索結果といった AI を使って、ユーザーの好みや評価、検索履歴を考慮しているとカーティス氏は言う。

表示される検索結果を決定するには、100以上のシグナルが使われ、そしてそれらのシグナルに比重を与えるために機械学習が使われる。

Airbnb がホストとゲストをマッチングするためにAIを使い始めたのは、2014年に遡る。現在では、検索結果の全てがパーソナライズされている。彼は次のようにコメントする。

今取り組んでいるのは、クリックしたものやそうでないものも含めてユーザーが見ているリストに対する予測モデルをつくることです。相手に対してどれだけ肯定的なレビューを付与するかどうかを予測スコアをつけています。そして、その滞在先に過去に泊まった人々や、またユーザーが他の場所に泊まったときのレビューデータの全てをベースにして、その予測モデルをトレーニングしました。

カーティス氏は、Airbnb がいかに AI を活用しているのか、そして AI の時代における仕事の未来についてなど、幅広いトピックにコメ ントをした。サンフランシスコで7月11〜12日に開催された、AI とボットに夢中な人々が集まるMB 2017 でのことだ。

こうしたモデルを構築したことによって、ホストと Airbnb 両者の収益が増したとカーティス氏は主張する。AI によって代替されない仕事からの収入を人々に提供している AI の一例であるとも述べる。Airbnb 自体は、AIと自動化が進んだ時代でも人間に収入源を与えることのできる仕事の供給者の例であると彼は言う。

人工知能の導入を継続するという試みにおいて、Airbnb では指導なしのAIトレーニングを使って、特定のユーザーに対するベストな滞在先リスティングをいかに作れるかというチャレンジが始まろうとしている段階だ。

現在、私たちが模索しているのは、私たちが持っている構造化されていない情報のようなものに対する指導なしの学習についてもっと考えるようにするというものです。リストの写真や説明文、その他すべてのものについてです。ユーザーに対して同じようなフィーリングを与えるリスティングを集める上で、指導なしのアルゴリズムの力は良くなるかもしれません。

彼は、その目的は「同様のプロセスを特定のゲスト集団に適用して、どのような形でそれらの情報クラスター同士が肯定的な形で交わるかを理解し、その結果を検索の際のランキングモデルの一部に使うこと」であると述べる。

これから数年経てば、特別な旅程をつくったり、エンドツーエンドの旅行計画をつくる上で、パーソナライゼーションが重要な役割を担うようになるだろうとカーティス氏は言う。そうなれば、Airbnb は他人の家への滞在を仲介するだけなく、交通手段やエンターテイメント、旅行における様々なディテールをもアレンジできるようになるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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