スタートアップと投資家を繋ぐプラットフォーム「FUND BOARD」β版公開、資本政策の作成や投資先管理を一元化

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スタートアップに特化したバックオフィス支援をするケップルは7月24日、スタートアップと投資家向けプラットフォーム「FUND BOARD(ファンドボード)」のβ版をリリースすることを発表した。ケップルはKepple会計事務所の関連会社で、両社共に神先孝裕氏が代表を務める。

同サービスはスタートアップと投資家のファイナンスの実務をサポートし、スタートアップと投資家のコミュニケーションを効率化することを目的としてつくられている。たとえばスタートアップが資本政策をオンラインで作成すると、株主名簿と新株予約権(ストックオプション)原簿が自動作成され管理することが可能。投資家側では投資先の一覧管理や資料や情報の確認、未提出資料の洗い出しといった機能が利用できる。

Kepple会計事務所は2013年11月に設立されており、East Ventures、Skyland Venturesなどのベンチャーキャピタルやジモティー、カウモといったスタートアップを取引先とする。同事務所およびケップル代表の神先氏はスタートアップに特化している理由を下記のように語る。

「独立して半年ほど経った頃、スタートアップの存在を知ってポジティブに働く姿や一緒に働く中での心地よさを感じました。心から仕事を楽しむ彼らの応援をしたいと心のそこから思えたのがきっかけでスタートアップのそばでサービスを提供しています。スタートアップが日々変化し、開発したサービスが急成長していく中で人々の生活を一変させていくダイナミックさにも惚れています」(神先氏)。

会計事務所の集客でなくスタートアップ支援を拡大するFUND BOARD

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ケップル代表取締役の神先孝裕氏/同社提供

4月には会計ソフトのfreeeが投資家などの支援機関と会計データを共有できるVCアドバイザーカウントを発表するなど、株主と起業家間での情報共有を便利にするサービスも登場してきた。その中で同サービスの特徴を神先氏に聞いてみたところ下記のように答えてくれた。

「他のバックオフィス系サービスとの違いは、株主との定例的なやり取りをオンラインで簡単にできる点です。会計データなど一部データの共有はされてきましたが、定例資料すべてが同じサービス上で共有されることは今までありませんでした。

日本ではまだ資本政策をオンラインで作成できるサービスがないため、いまだにエクセルで作成されています。わたしたちもこれまで資本政策のひな形を配ったり、作成の仕方などをアドバイスしてきました。投資家サイドで言えば、会社ごとに共有ツールがDropboxやGoogleであったり、メールで送られてくることもあったりとコミュニケーションが煩雑な部分があります。これらの双方が抱える問題点をFUND BOARDで解決したいと考えています」(神先氏)。

同社はスタートアップをした人全員が誰に聞かずとも資本政策を作成でき、投資家が上場株式と同様に未公開企業の投資先を一元管理する文化を目指す。

またkepple会計事務所の提供サービスとの関連性に関して同氏は「FUND BOARDは会計サービスに続いて、二つ目のスタートアップ支援サービス」であると位置付ける。会計事務所の活動とFUND BOARDによりケップルはスタートアップを総合的に支援する体制をつくる方針だ。

まずは本リリースに向けてクラウド上で投資契約書をやり取りできる機能やエンジェル税制を判断・申請する機能の実装を検討している。

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