シンガポールのeコマーススタートアップY Ventures Groupがシンガポール証券取引所の新興企業向け市場に上場、国際展開の加速へ

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SGX
SGX via Flickr by Jonathan Choe

シンガポールの Y Ventures Group は本日(7月11日)、シンガポール証券取引所(SGX)の新興企業向け市場であるカタリストで取引を開始し、新規株式公開で550万米ドルを調達したと発表した。

Y Ventures は e コマースの小売と流通を手がけ、ブランドとオンラインマーケットプレイスを仲介している。顧客の売り上げ促進を行うほか、独自ブランド JustNile を Amazon、eBay、Lazada、Tokopedia などで展開している。

SGX の一部市場であるメインボードに上場するには、IPO 時の株式時価総額が1億800万米ドルを超え、前会計年度で利益を計上しているなど、いくつかの要件を満たす必要がある。

これらの条件はカタリストへの上場では必須ではないが、上場する能力があるかを評価し、上場プロセスを通じて指導役を担うスポンサーが必要となる。Y Ventures に対しては、金融サービスプロバイダの RHT Capital がスポンサーと問題解決を引き受けている。また、UOB Kay Hian が募集代理人を務める。

Y Ventures 株は、発行価格の0.16米ドルを16%上回る0.18米ドルで本日の取引を終えた。公募後の株式資本が2億株であることから、同社の株式時価総額は3,680万米ドルとなる。

今回獲得した資金を活用して、ヨーロッパや北東アジアへの事業展開のほか、データ解析技術の強化や新商品の開発を計画している。

同社は流通、調達、マーケティングやその他多くの活動にデータ解析を活用しており、トレンド、需要、価格、消費者心理など様々な変数を分析している。また、マーケットリサーチ、消費行動の分析、フィードバックなどを得るために、仮想のフォーカスグループを構成している。

2016年度には1,210万米ドルの収益があり、売上総利益は43.9%だったとしている。過去2年で収益は2倍になった。

カタリストには計196企業が上場しており、時価総額の合計は86億米ドルとなる。SGX のテクノロジーの部には76企業があり、その合計時価総額は590億米ドル。

アジアのテック企業の IPO では、ここ最近はオーストラリア証券取引所と香港証券取引所が選ばれている。より多くのテック銘柄を呼び込むため、SGX は最近、シンガポールトップの調査会社である A-STAR に加えて、情報通信メディア開発庁(IMDA)と提携した。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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