目覚ましいユーザ獲得によるライブストリーミングでの成功と、9四半期連続での堅調な利益確保を実現した後、中国で最大規模を誇るロケーションベースのソーシャルネットワーク「Momo(陌陌)」は、この国のソーシャルトレンドで大がかりなことを新たに始めようとしている。
Momo がライブストリーミングに進出してメディアの記事を賑わせたのは3月、昨年第4四半期の営業収益が前年同期比524%増加の2億4,610万米ドルになったという決算を発表した後のことだった。他方、通期の収益は前年比313%増の5億5,310億米ドルだった。しかし Momo は、過去の栄光に安住しようとはしない。同社 COO の Wang Li(王力)氏は Tencent Tech(騰訊科技)とのインタビューの中で、ライブ動画の分野にてさらなるイノベーションをもたらしたいと公言していた。
Momo のバージョン8.0のアップデートでは、同社がストリーミングでの成功で資本化を目指す新たな機能が導入された。それは、1対1(ファーストチャット)およびグループ(パーティー)動画ストリーミングのほか、中国で最も人気のあるパーティーゲーム「Werewolf(狼人殺)」をプレイする最新オプションである。同社は、ユーザ間のやり取りに7~8の調整可能な最新モジュールを追加する予定だ。
Wang 氏によると、動画は引き続き同社の戦略の中核を担うという。それは、ライブストリーミングがより充実したソーシャルなフィードバックの体験をもたらすからだ。新たな変更により、友達作りや有機的なコンビネーションの達成に向けた異なる機能の組み合わせを行うオープンなプラットフォームが作られることを期待している。
Wang 氏は次のように語った。
オープンであることで、誰もがここで楽しめます。これは、連絡先リストでつながるスタイルで部分的に閉じたネットワークの WeChat(微信)とは違うのです。とりわけ Momo はオープンで、人が行ったり来たりと流れるようなプラットフォームなのです。
アップデートされた8.0では、有機的に接続されたやり取りのスタイルを構築してほしいと思います。例えば、『近くにいる人』の機能を使って関係を構築し、『ファーストチャット』を通してその関係を深めることができます。さらに、『ファーストチャット』を通して関係を構築し、『パーティー』機能を使って発展させることもできます。つまり、お互いのユーザ次第なのです。全体として相互依存的、有機的な存在です。
Momo の第1四半期決算によると、ライブストリーミングは Momo のアプリ上でのユーザのアクティビティを顕著に増加させ、デイリーユーザに占めるライブストリーミングの普及率は24%に、ショート動画では46%に達した。2017年3月時点で、Momo の月間アクティブユーザ数は8,520万人だった。
評論家によると、ライブストリーミングのユーザ数でみると Momo は頭打ちになっているかもしれないという。だからこそ、同社は新たな戦略に舵を切っているのだ。以前、同社は Momo を出会い系プラットフォームからソーシャルおよびライブストリーミングのプラットフォームに転換させる賭けに出たが、その成果が目に見えるようになった。現在は、ユーザに引き続き製品を使ってもらえるよう、新たな刺激策を見つけていきたいとしている。
この動きは、この数ヶ月、政府による厳格な規制の運用に直面しているライブストリーミングサービスにとって新たな時代を予兆するものになるかもしれない。
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