Alipay(支付宝)、東南アジアでのO2O拡大に向けFave(旧Grouponマレーシア)と提携

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Alibaba Group(阿里巴巴集団)の金融企業である Ant Financial(螞蟻金融) は、国際決済の導入を目的とした Fave との提携を発表した。Fave は東南アジアでは、かつて Groupon として知られていた。今回の提携により、まずはシンガポールで国際決済サービスが実現する予定。

Alipay(支付宝)のユーザは提携の恩恵として、Fave のエコシステム傘下にあるレストランや実店舗の小売店などで、Alipay アプリからの支払いが行えるようになる。また、中国国内での O2O サービスプロバイダとの提携とよく似た形で、値引きや各種特典などが提供される。

驚くことではないが、同サービスは東南アジアを訪れる中国からの国際旅行客をターゲットにしている。東南アジアは中国の人々の間で旅行先としての人気が高まってきている。

Fave の設立者であり Groupon の元役員でもある Joel Neoh 氏は次のように述べている。

レストランと実店舗の小売店は、シンガポール経済のバックボーンを担っています。小売の90%はオンラインではなく物理的なオフライン店舗で発生していますが、小売各店はモバイルに親しんだ顧客にリーチする方法も常に模索しています。

現在、東南アジアの数百万ものユーザが Fave を利用し、レストランやライフスタイルショップを検索したり、支払いを行ったりしています。Alipay とは Win-Win の関係となり、シンガポールでの当社の小売パートナー各店はさらなる利益と顧客を手にするでしょう。

Fave はマレーシアの定額制フィットネスサービス KFit から派生し、ここ数年 O2O がメインストリームになるにつれて急速に拡大してきた。Groupon が衰退し、かつて同社が支配していた共同購入サービスの領域でFaveは徐々に勢力を伸ばしてきた。Faveは過去1年間で、Groupon のインドネシア、マレーシア、およびシンガポール法人を買収した。東南アジア地域に1万店舗以上となるレストランとオフライン小売店の加盟店を持ち、アクティブユーザ数は100万以上に上る。

中国での O2O ブームの後を追う形で、東南アジア市場でも技術導入の波が広がっている。これは5〜10年前に中国に訪れた技術化の動きとよく似ており、Neoh 氏は以前の TechNode(動点科技)のインタビューの中で、中国と東南アジアはほぼ対等だと語っている。モバイル決済は、O2O サービスの輪を完結させる上で紛れもなく重要である。

現在のところ両社ともシンガポール市場以外でのパートナーシップについて明言していないが、その他の東南アジア各国においても提携は急速に拡大すると見ることができるだろう。同地域では Fave の存在感が大きく、Alipay も拡大に向けて意欲を示しているためだ。海外展開を加速する Alipay は、現在世界27ヶ国でサービスを提供している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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